日誌

米国サマーセミナー派遣

ミシガン大学サマーキャンプ参加報告

7月6日~7月21日に行われたMMSS(Michigan Math Science Scholars)に5名の生徒が参加しました。

このプログラムは、夏休みにアメリカのミシガン大学で行われる高校生向けのサマーセミナーです。セミナーは2週間で、大学の寮に滞在し、アメリカ国内や各国から来た高校生たちと交流しながら学びます。講義はアメリカ人に向けたものなので、生の英語で数学や科学を学ぶよい機会になります。
将来世界に通用する人材を育てるという観点から、浦高同窓会がバックアップし、希望者は奨学金を利用することができます。


生徒の報告は「続きを読む」をクリックしてください。






ミシガン大学サマーキャンプに参加して

2年6組 K君

まず初めに、同窓会からの金銭面での支援、先生方からの学習・指導における支援、級友からの精神面での支援など様々な支援を頂いて無事サマープログラムを終えることができました。ありがとうございました。
7月6日~7月21日に行われたMMSS(Michigan Math Science Scholars)での二週間を報告させていただきます。
6日に成田空港を出発しデトロイトメトロポリタン空港に到着しました。
2日目に歓迎会が行われ、色々な国からの参加者と交流しました。大半は英語を母国語としている国からの参加者でしたが、韓国、スペインなどの英語が母国語でない国からの参加者も見受けられました。
3日目から7日目と10日目~14日目は授業が行われました。授業はゲーム理論の基礎を選択しており、和気藹々としながらも真剣に取り組む環境になってい て、集中して取り組むことができました。午前に教授が授業を行い、午後はチームで課題を取り組む形式でした。午前の授業で理解しきれなかった部分は、チー ムメイトに聞くなどして授業に遅れないように取り組めました。課題は解く際にチームで議論を行うのですが、最初はあまり積極的に議論できませんでしたが、 段々と慣れていくに従って自分の意見を強く主張できるようになり、その点で自信を持つことができました。また、授業で取り扱ったhexというゲームの大会 を行った際は、幸運にも優勝することができ、いい思い出になりました。
8、9日目は、一日中自由の休日で大学構内を散策しました。アメリカの喫茶店やコンビニ、古本屋などをめぐり日本との違いを色々と肌で感じてきました。日 本が大きく優っていると思った一つとしては、自動販売機の精度です。アメリカの自動販売機では使用できない5¢玉を入れるとそのまま吸い込まれ返ってきま せんでした。お釣りがクオーター13枚で返って来るといった細かい面での配慮の不足、商品が出てこない・お釣りが足りないなど日本の自販機ではあまり考え られない誤作動も見受けられました。日本が劣っている点としては、スターバックスのコーヒーのサイズがアメリカではかなり大きかったと感じました。
主な目的となった英語の上達に関してですが、日本人というよりは自分はといった方が適切かもしれませんが、日常生活ではあまり問題はありませんでした。し かし、先生が壇上に立ちネイティブスピーカー相手を目的として長い時間早い口調で話し続けるとなるとほとんど聞き取れず英語力の無さを痛感させられまし た。また、自分が話者となった時も英語での発信力が非常に弱いと感じさせられ悔しい思いもしました。その点では昨今飛躍的な経済成長を遂げている韓国の生 徒は非常に強く、基礎的な教育面で負けているのだと感じました。このままの状態では韓国に大きく遅れをとってしまうかもしれないとこの先の不安さえ感じま した。その不安を解消するためにも自分自身の英語力を上げ英語での交流で悔しい思いをしないようにしたいと思いました。また日本の高校生にもっともっと多 く留学してもらい、世界における自分の英語力を肌で感じさらに向上してもらいたいと感じました。
この留学を通して感じたこと、考えたことを胸に留め置きこれからの学習スタイルを向上させていきたいと思いました。


ミシガン大学サマーセミナーに参加して
3年9組 T君

 ミシガン大学についたのは土曜の午後で、その土日は散歩等をしてゆっくりと過ごしました。月曜日から授業が始まり、放課後にはスポーツやトランプなどをしました。休日には遊園地や野球観戦に行きました。もう一週授業を受けて土曜の午後の飛行機で帰国しました。
 私は“Forensic Physics” という科目を選択していて、犯罪捜査に使う物理学を学びました。一日目から犯罪現場を模した研究室に連れて行かれて、何もわからない状態から現場検証をさ せられました。このセミナーでは話を聞くだけではなく活動することが多いとは聞いていましたが、さすがに驚きました。一週間目は基礎となる物理や他の科学 の説明を受けて、その後それをどのように犯罪捜査に応用するかということを実際に活動して学びました。具体的には、血液の跡から血が飛んできた高さや角度 を調べたり、残された銃弾やカートリッジから銃の種類を突き止めたり、試薬を使って血液型を調べたり、削られたシリアルナンバーを磁気を使って読み取った りといったことをしました。二週目には証拠を分析する方法として、様々な機械を紹介されました。原理の説明を受けたあと、大学内を巡って高そうな機器を見 学して、最終日には実際にそれを使うこともできました。普段の勉強とは一味違った授業受けられてとても面白かったです。
今回のサマーセミナーで一番強く感じたことは英語が聞き取れないということです。リスニングはちゃんと練習してから臨んだつもりでしたが、現地の英語はや はりずっと早く、またはっきりと話さないこともあって聞き取るのがとても難しかったです。授業では実験しながらの説明やホワイトボードに書きながらの説明 ならまだわかるものの、ただ教授が話しているときはあまり理解できないという感じでした。周りの人たちと話すときは、一対一の会話でならば聞き返すことも できるし、自分がゆっくりしゃべっても待ってもらうことができました。しかしアメリカの高校生が2,3人で話している会話の中に入っていくと、何を言って いるのか分からずほとんど口を開けないということも多々ありました。私は日本の大学に進学するつもりですが、その後海外の大学に行く機会が得られたなら ば、その時には講義はもちろん完璧に理解して、友達ともさらっと談笑できるくらいの英語力をつけていたいです。 
 私は今までに他の海外派遣プログラムに参加したことがあります。そのときは引率の大人がいて飛行機に乗るところからその国での生活の面倒を見てくれてい ました。今回はそのような日本語で頼れる人がいなかったので、英語で寮での規則を説明されているときは絶対に聞き逃せないし、わからないことはミシガンで 知り合った友達や大学生に自分で聞かなければならないという緊張感がありました。またその分英語を使う機会が増えたし、現地の人や他の国々から来た人と同 じ環境で生活したということで自分が成長できたような気がします。とても充実した二週間を過ごすことができました。


ミシガン大学サマースクールに参加して
                     2年7組 N君
(i)初めに
私はこの小さな日本から一回も外に出たことがなく、どうしても高校生の間に日本の外へと出てみたいと思っていました。ホイットギフトなどは初めての海外体 験にしては長いけれどこのプログラムは2週間というちょうどよい期間であったので、いい機会だと思い応募しました。予想以上に辛かったけれどその反面で得 られるものも数多く、本当に応募して良かったなと思いました。私たちに奨学金を提供してくださった同窓会の皆様、並びに様々な点で助けていただいた先生 方、また現地でお世話になった同校の先輩方に感謝の意を示したいと思います。
(ii)現地での生活
機内に乗った時から基本的に英語で話さなければならず、自分がもう異文化にいることを実感しました。
まず困ったことは行きの機内が非常に寒かったことでした。おそらく、前の方に座っていた方がエアコンの風向きを私たちの方に向けていたからだと思われます。したがって、私はブランケットをもう1つ頼みましたが乗組員の方に途中まで忘れられていて大変でした。
また何故か私にはルームメートがいないため2週間部屋には私1人でした。したがって私は現地で友達をつくって会話したいと思っていたので自分から積極的に 動こうと思いました。そこで夏休みの課題などはいつでもできると思ったので参加できる日はなるべくactivityに参加して友達を作ることが出来まし た。英会話はあまり経験がないため意思疎通するのに大変苦労しました。しかし、どこかですれ違うと声を掛けてくれたり、一緒に食事をしたり、写真を撮った りと非常にいい経験となりました。日本に来たことのある、1番仲良くなった友達と会話すると、日本の漫画については「BLEACH(漫画)」が人気である ようで、また金閣寺が消失し現存しているのは再築のものだというのを知っていたので驚きました。
 また、地震が少ないため信号が電線に吊るされていたり、日本とは異なり歩行者が優先されないため歩行者用の青信号の間が異常に短かったり、野良猫の代わ りに野良リスがいたりと普段は経験できないことばかりの光景に出くわしました。それに加え、緯度が高いのにも関わらず夜9時でも全く暗くないのには驚きま した。
(iii)現地での授業
 私がとったのは「Genes to genomics」です。この授業では浦和高校では経験できなさそうな貴重な実験まで行いました。最初に困ったのは眼鏡をしていても先生の書く文字が見え なかったこと、またnativeの筆記体が慣れていない私には非常に読みづらく苦労をしたことでした。次に、文字を書いて説明してくれる講義とは異なり、 実験の際は半分以上が口頭説明であったため私は全然理解できなかった時も少なくありませんでした。しかしながら、先生に実験をする際に丁寧に説明していた だけたので何とかのりきることが出来ました。また、私はよく授業で分からなかったことは浦和高校で先生に質問しているのですが現地でも質問を授業後にして 出来る限り理解できるように努めました。英語で質問して英語で回答されてそれで理解できたときは本当に感動しました。しかし、授業中韓国の人を含む、多く の生徒が授業を遮って質問する様子が多々見られ、見習わなければならないと思いました。
(iv) About activity
Activityの詳細を以下に記します。
・tennis・bowling・mall trip・game night・movie (Harry Potter)
・capture flagなど。
(v)まとめ
2週間の中で語彙力などがあったわけではないが、英語でものを考えることが少しでもできるようになって良かったと思います。前回派遣された先輩の言ってい た古本屋を探すために6,7人ほどの現地の人に聞きまわってでも発見できたことなども非常に嬉しかったです。友達とmail addressを交換したり、日本の漫画について話したりできて本当に良かったです。実りある2週間は忘れられません。


ミシガン大夏季サマースクールを振り返って
3年6組 K君 
1.    はじめに
僕の将来の夢はエンジニアになってロケット開発に携わることです。より良いロケットを作るために世界中の人々とのコミュニケーションは欠かせません。その 能力を養うためにこのサマースクールは絶好の機会だと思い参加を決めました。このような素晴らしい機会を与えてくださった先生方、奨学金を含め様々なサ ポートをしてくださった同窓会の方々に感謝いたします。
2.    生活について
平日は講義が終わったあとは自由行動だったので様々なアクティビティに参加しました。テニスやフリスビーなどのスポーツやボードゲームを楽しむ中でたくさんの人とコミュニケーションをとることができるとても有意義な時間でした。
食事に関しては心配していたのですが、朝昼晩ともにバイキング形式の食事を学校の食堂でとることができ様々な料理を楽しむことができました。バイキングに飽きたときは街中の日本料理店や中国料理店にルームメイトと行ったりもしました(味は微妙でしたが)。
気温は35度くらいで日本の夏とそれほど変わらなかったのですが屋内はほぼどこでも冷房が効いていて肌寒いくらいでした。日頃冷房に慣れていない僕にとってこれが一番大変でした。
3. コミュニケーションについて
初めは現地の人々が喋るネイティブな英語に戸惑いましたが過ごしていくうちにだんだん慣れていきました。しかしスピーキングに関しては、自分の考えをうま く相手に伝えられずもどかしく感じることが多くとても苦労しました。漫画やゲーム、日本の文化について質問された時も言葉をつなぐことに精一杯で、魅力を うまく伝えることができずかなり悔しい思いをしたのを覚えています。
衝撃を受けたのは中国人や韓国人の英語力です。リスニング・スピーキング能力が高いことはもちろん発音もとてもきれいで、僕も負けてられないと英語を学びたいという気持ちがさらに強くなりました。
4. 講義について
僕が選んだ講義は「The Physics of Magic and the Magic of Physics」というもので物理に関する講義を聞いたり実験をしたりしました。講義はすべて英語で行われたのですが幸い既に日本で習った内容が多かった ので何とかついていくことができました。僕にとって一番新鮮だったのは英語での講義ももちろんですが、生徒の講義に対する姿勢です。わからないところがあ れば講師の話を遮ってでも質問する、本当は当たり前のことなのかもしれませんが日本ではなかなか見ることができないその光景に僕は圧倒されました。講義を “聞く”だけでなく“参加する”姿勢を僕たち日本人も見習わなければならないとつくづく感じました。
5. まとめ
二週間のアメリカでの生活は苦労の連続でした。しかし同時に日本では得ることができないたくさんの貴重な経験をすることができました。アメリカで培った良 くも悪くも様々なことに首を突っ込む積極性を日本でも発揮したくさんのことを経験、そして吸収してエンジニアになるという夢をより確かなものにしていきた いと思います。
    

ミシガン大学サマースクールに参加して  
3年3組A君

1. 授業について
私が選択したのはMathematics of Decisions, Elections, and Games という授業で、主に決定論や選挙における当選者の決定方法、ゲーム理論の基礎を取り扱うものであった。授業の構成は、17人クラスに教授1人と大学院生の 助手2人(午後の授業を主に担当)といった形であった。海外から参加した生徒は、韓国から2人、日本、ギリシャ、イギリスから各1人ずつで、国内生の出身 も西はCaliforniaから東はNew Jersey まで多種多様であった。
学年別の割合は、9月からSenior(4年生)になる生徒が多いかと思っていたが、意外と来年度からJunior(3年生)という人も多く、中にはSophomore(2年生)になる人もいた。

授業の形式は以下である。

9:00-12:00   教室で黒板を使った教授による理論の講義
12:00-13:30  昼食休憩
13:30-16:30  Labに移動し、Excelを利用した理論の検証と実践

授業で扱った内容としては、2つのLottery(くじ引き)におけるそれぞれのUtility(効用:満足の水準)を計算して、選択すべき Lotteryを決定したり、選挙の方式を5通りほど学び、それぞれの選挙方式の特色(例: 大規模な政党に有利)を導き出して過去の選挙結果の検証を行ったり、互いの選択が相手の選択に影響を与えるような状況における2人の選択の均衡点を探した りと、様々な内容について学んだ。
午前中の講義は比較的容易であったが、午後のLabでの実習はついていくのに苦労した。
数学的な側面も多かったが、基本的には理論中心であった為、浦高で学んだ知識が生かされることはあまり多くなかった。国内生は積極的に質問していたが、そ の形式は日本とは少し異なり、教授が話している最中でも疑問点があれば無言で手をあげ、それに気付いた教授が話を中断してその質問に答えるというものだっ た。
全体的に授業は興味深い内容が多く、経済学理論の基礎となるものも多かったので、復習も兼ねて寮に帰ってからその日にやった理論の日本語版Wikipediaを読んだりして理解を深めた。大学で経済を学ぶ良い出発点になったと思う。

2. Ann Arbor での生活について
平日の一日の大まかな流れは以下のようなものであった。

6:40 起床 シャワー
7:00 授業準備 日本の友人と連絡
8:00 朝食
9:00-12:00 授業
12:00-13:30 昼食
13:30-16:30 授業
16:30-21:00 放課後 各種アクティビティ参加や街への外出
21:00 寮の門限
23:00 消灯
0:00 就寝

①環境
大学のあるAnn Arborは人口10万人程度の大学が中心の街で、非常に過ごしやすかった。
気温も20-25℃前後で安定しており、日本に比べて乾燥していたので放課後外で遊ぶのにも快適な気候だった。また、高緯度のMichiganは夏の日照 時間が長いため20:30過ぎまで外が明るく、最初は時間感覚が掴めなかった。自然が豊かで、キャンパス内や道路沿いには多く植林がされており、公園を初 め大学内の多くの場所でリスが見られた。

②食事
食事は近くの棟の中にある食堂で取った。バイキング形式でメニューも日替わりで変わるので、2週間食事に飽きることはなかった。とはいえ、クッキーなど一 部の食事は味が濃すぎて口に合わなかった。Sushiはレギュラーメニューとなっていて人気であったが、日本の握り寿司とは違って巻き寿司のようなもの で、中にアボカドが入っているものもあった。予想外に食事がおいしかったことや、寮内の自動販売機でお菓子を買いすぎた影響もあってか、帰国後体重を測っ たら3kgも増えていた。

③寮生活
現地での日常会話は特に困らなかった。最初は声が小さくて聞き取ってもらえないことも多かったが、徐々に昼食や放課後のアクティビティで友達が増えてくる と、自然と他の生徒に話しかけたり大人数で話をしたりすることもできるようになった。放課後のアクティビティは毎朝掲示板に張り出され、集合時間や申し込 みを確認して参加するというものだった。映画鑑賞会や卓球大会、リスの餌付けなどの小規模なものから、バスに乗って移動するボーリングやアイススケートま で様々で、多くの人と話す機会を持つことができて非常に楽しかった。アクティビティ以外にも、Game Roomという卓球台やビリヤード台、テレビが完備されている大きめの部屋が用意されていたり、カウンセラーからバスケットボールやテニスラケットを借り て外のコートを自由に使うことができたりと、放課後の遊び場には不自由しなかった。ルームメイトは両親が共に日本人の日系アメリカ人で、日本語もある程度 話せるようであったが、日常での会話は英語にしてもらい、23:00の消灯後も互いの国の教育制度や出身地、大学の話などで盛り上がった。
また、寮では全員にカードキーが配られ、トイレや寮の入り口、エレベーターや階段に至るまで、あらゆるドアを開けるのにカードキーが必須だった。食堂への出入りも全てカードキーで認証され、効率的な管理がされていたと思う。

3. まとめ
授業と生活の両面において非常に有意義な2週間となった。今回のサマープログラムをきっかけに、米国内の各地に友達が出来て、現在もその多くと連絡を取り 合っているので、いつかまたアメリカに渡る機会があったら彼らを訪ねてみたい。また、今回のMichigan派遣を通して、僅かながらも文化の違いに触れ ることが出来たし、完全な英語環境の下で生活した経験は今後の学習の上でも自信に繋がると思うので、この経験を、海外留学を含めた今後の進路決定や、ひい てはこの先の人生設計に役立てていきたい。

最後に、今回の派遣に際して奨学金として費用をサポートして頂いたOB会の皆様と、出願や出発準備を手助けしていただいた先生方に心から感謝します。ありがとうございました。

ミシガン大学サマースクールに参加して    3年 S.A.

1.授業 Surface Chemistry(表面化学)

    ①9:00~11:00  教授による講義

    ②11:00~12:00  各自でパソコンを使ってプレゼンテーションの準備

    ③13:30~16:30 実験

・①について
   教室で教授の講義を受ける。議題は様々であるが、主に分子単位で物質の表面につ
  いて考察していく。1クラス16人で、11人はアメリカ人、4人は韓国人、日本人は1人だっ
  た。教授は中国出身の方で、聞き取りやすいスピードで話して下さったのでわかりやす
  かった。アメリカ人の生徒は教授が話しているのを遮って質問することが多く、日本とは
  違って教授と生徒が頻繁に対話をしながら講義が進んでいた。
  
・②について
   2週間の間に全員が2回のプレゼンテーションを行う。教授からトピックが与えられ、自
  分でインターネットや本を使って調べる。パワーポイント等でスライドを作成し、3人のグ
  ループでプレゼンテーションを行った。与えられたトピックは以下の通り。

    ・Chromatography(混合物の分離)

    ・Monolayer Films(分子の層)

    ・Hydrophobicity/Hydrophilicity(親水性と疎水性)

           Adhesion(吸着)

           Friction(摩擦)

           High Vacuum(真空状態)  

    ・Catalysis(触媒)

           Artificial Heart(人工心臓)

           Electro Chemistry(電気化学)

           Biosensor(バイオセンサー)
 
  私はChromatographyCatalysisを選んだ。<歴史>→<仕組みやメカニズム>
  →<現在の応用方法>→<将来の応用方法>のような流れで発表した。調べる段階
  では、当然ながら英語のサイトや文書しかないので、自分が必要な情報を見つけるだけ
  でも時間がかかり苦労した。また、発表時の原稿を事前に作成し、同じグループのアメ
  リカ人に一度読んでもらうことで、おかしな表現などがないように努めた。
 
・③について
    午後の時間は実験室に移動し、実験を行った。基本的に毎回違う人と2人組のペ
  を作って実験した。実験に関しては、表面化学に限らず幅広いテーマがあった。英語で
  指示を聞き取るのは大変だったが、中には日本でやったことがあるものもあり、実験自
  体は簡単なものが多かった。実験のテーマは以下の通り。

     ・Synthesis of Nylon(ナイロンの合成)

    ・Metal Crystalline Structures(金属の構造) 

    ・Adhesion(吸着)

    ・Thin Layer Chromatography(ペーパークロマトグラフィー)

    ・pH Measurement(pHの測定)

    ・FTIR(赤外線によるポリマーの構造推定)

    ・Ester Formation(エステルの生成)

2.現地での生活
・入国審査
   出発前に先生方に指導していただいた時と同じ質問をされたが、私の場
  合はさらに、ミシガン大学から送られた書類や、自分がサマースクールに参加すると証
  明できるものを見せるよう言われた。ミシガン大学から送られたメールを印刷してあった
  のでそれで通してくれたが、持っていなかったら困っていたと思う。あとの2人はそのよう
  な事は言われなかったようなので、審査官によって多少のちがいがあるようだ。
 
・食事
   食事はバイキング形式だった。現地のアメリカ人の話によると料理の種類は決して多
  くはないようだが、満足のいくものだった。全ての料理に栄養表示がついている点や、ベ
  ジタリアン用の料理がわけてある点、イスラーム教徒のラマダーン月に配慮して営業時
  間を変えたりしている点はよいと思った。しかし、周囲のアメリカ人を見ていると、栄養バ
  ランスを考えて料理を選ぶ人は少ないし(特に男性)、自分で取っておきながら残す量が
  非常に多く、日本の食文化との大きな違いを実感した。
 
・気候(7)
   昼間は日本と同じくらいまで気温が上がるが、朝晩は半袖では寒いくらいまで気温が
  下がった。比較的乾燥しており、2週間の滞在の間、1回しか雨は降らなかった。
・外国人との会話
   ルームメイト(アメリカ人)をはじめとして、多くの外国人と話していてまず聞かれるの
  が、日本のアニメ、ゲームについてだった。それほど日本のアニメ、ゲームは人気であ
  るようだ。また、ルームメイトは日本語の平仮名と漢字の併用を知っており、どうして併
  用するのか聞かれたが、日本人には当然のことであり、なかなかうまく答えられなかっ
  た。他には、高校で学んでいる内容などをよく話した。
 
・放課後の活動
   授業が16:30に終わった後、21:00までは大学内であれば、自由に寮から外出できた。
  毎日寮のカウンセラーからその日のイベント(バスケットボール、サッカーなどのスポー
  ツや、トランプ大会、ボードゲーム、映画、川遊び…など)の連絡が寮の掲示板に張り出
  され、希望者は参加するというものだった。私のルームメイトは非常に活発な人だった
  ので、毎日イベントに参加し、多くの友達を作ることが出来た。
 
・週末について
   週末は授業がなく、事前にオプションを申し込んだ人は大学の外に出かける事が出来
  る。今年は土曜日にCeder Point(遊園地) 、日曜日は野球観戦に行った。サマースク
  ール開始からすでに1週間が経ち、友達もできていたので非常に楽しめた。せっかくの
  機会なので是非申し込んでいくと良いと思う。
 
3.最後に
   実質初めての海外経験に近かったので、戸惑うことも多かったが、周囲の環境が変わ
  ると、何とか適応出来るということがわかった。授業では、最初は、指示が聞き取れなか
  ったのは自分だけではないか?と思ったり、プレゼンテーションの準備を着々と進める
  周囲を見て劣等感を感じる事もあったりしたが、そういうものも貴重な経験になると思
  う。多くの人の助けにより、失敗を恐れずに挑戦し、有意義な時間を過ごす事が出来
  た。

ミシガン大学サマースクールに参加して    3年 K.S.

 私はこの高校に入って以来高校生の間に海外に行ってみたい、勉強とまでは行かなくとも同世代の外国人と話してみたいと漠然と考えていたので、このプログラムは願ってもいない機会でした。そのような思いから衝動的に参加応募したサマースクールですが、今振り返るとこれほど得る物が多い体験になるとは考えていなかったので、本当に参加して良かったと思っています。このような機会を提供してくださった先生方、そして奨学金の件など多くの面で私達をサポートしてくださった同窓会の皆様に感謝致します。

 現地での生活

 英語で外国人と話したことが今まで全くなかったため、コミュニケーションの面では本当に大変でした。相手の言っていることが聞き取れないことよりも、自分の考えを相手に上手く伝えられないことがとにかくもどかしく感じました。例えば寮のルームメイトはとても親切でよく私に話しかけてくれましたが、相手の話に合わせて話そうとしても語彙が足りない、または発音が悪くて相手に伝わらなかったことが多々ありました。逆に、ジェスチャーを用いて何とか自分の意思を相手に伝えることができたときは感動さえしました。ほとんど言葉の伝わらない環境に放り込まれたことは、最初は不安や苦労を感じましたが、とても貴重な体験になりました。

 アメリカの環境にも大いに興味を引かれました。北海道と同じ緯度に位置しているのに日中は気温が35℃以上になり、また夜8時になっても太陽が出ていたことには驚きました。また車社会のため歩行者用の青信号の時間がとても短い、地震がないためか信号機が電線に吊るされて設置されていたり、野良猫の代わりに野良リスがいたりと、多くの場所で自分が異文化にいることを実感しました。また食生活は毎日食堂が無料で、しかも食べ放題であったため困ることはありませんでしたが、日本の食べ物はやはりおいしいことが改めてよく分かりました。他にも授業後のアクティビティでは芸術展を観に行くことができ、授業以外でも実り多い時間を過ごすことができました。

 現地での授業

 私の選択した「Fortunes Made and Lost: Financial Mathematics」というコースでは主に金融学、主に株取引とその値段決定について学習しました。金融業は将来進みたいと考えていた職種の1つだったため、常に高いモチベーションを維持することができたと思います。授業は午前の部と午後の部に分かれ、午前は数学コースと称して金融に関わる数学を学び、午後のビジネスコースはexcelを用いて午前に学んだ理論を実践したり、それぞれ持ち金1,000,000ドルの株の架空取引で利益を競い合ったりといった内容でした。午前の部はスライドを用いた授業だったため分からない単語を調べるのに不自由せず、教授の声も聴きとりやすかったため英語の面では思っていたより苦労しませんでした。しかし数学面では、授業の進度が早く、後半になるにつれ内容も発展的になったため毎日の復習が欠かせませんでした。また当たり前のことかもしれませんが、数学の公式やルールが日本と同じだった点には少なからず感動しました。ビジネスコースでは浦高の情報の授業で習ったことがかなり役に立ち、問題も解き甲斐のある、ほどよく難しいものでした。またこの時間では投資家や経済学者のプレゼンを聴きにいったり、エネルギー取引を専門に扱う会社に訪問したりしましたが、そちらは自分の英語力の不足により完全には理解できませんでした。

 クラスの生徒は全員で15人、その内4人は韓国人、2人はギリシャ人でした。プログラムの全参加者の中で日本人は私達3人だけでしたが、韓国人は50人以上いたことが印象的でした。特に私のクラスの韓国人の生徒の1人は最終的に2位のクラス成績を修めるほどで、英語も流暢に話したため私達同世代の日本人も負けてはいられないと思いました。しかしその事を抜きにしても、このコースで金融を分かりやすい説明によって基礎的なことから学べたため、得たものはとても大きかったです。

 まとめ

 このプログラムを通して、私は金融を学んで得たことももちろんですが、海外でほぼ1人だけで暮らしたという行為自体が大変価値あるものだったと思います。コミュニケーションも満足に取れない環境下で生活することで、もがきながらも頑張れば何とかなるだろうと考えることができるある種の度胸が身についたような気もします。とはいえ、もっと英語が堪能だったなら楽しさは何倍も増しただろうと考えたのも事実です。ですが、私にはまだ将来大学で、学生のうちに海外で留学するというチャンスがあります。今回の体験を通じて、大学でこうしたサマーキャンプに再度挑戦したいと強く望むようになりましたし、またその時には今回の体験の反省が大いに活かされることでしょう。さらに学生の間に海外留学することの得る物の多さ、そして楽しさを知ることができたことに加え、この体験によって将来海外で働きたいと淡く思っていたことがより現実味を帯びて、自身の人生の選択の幅が広がったことは大きな成果です。今回の楽しかった経験、辛かった経験、学んだことの全てを自分の残りの高校生活、ひいては将来の大学での活動や人生設計にも活かしていきたいと思います。とても実りある14日間となりました。