イギリス・ウィットギフト校との交換留学制度(長期派遣制度)
長期交換留学制度

 他の公立高校に例を見ないのが、浦高の誇る長期交換留学制度です。これは浦高独自の留学プログラムで、国際化の進展する時代に世界と主体的にかかわり貢献していける人材を育成することを目的として平成13年にウィットギフト校と長期交換留学制度を発足させました。これにより浦高生(毎年1名)が1年間、ウィットギフト校で勉強することが可能となりました。学費と生活費はすべてウィットギフト校が奨学金として負担してくれます。ウィットギフト校の校内には寮があり、交換留学生はここに住むことになります。寮では諸外国からの留学生と共に生活をすることになりますが、彼らは皆それぞれの国のトップレベルの学生です。

 浦高からの長期交換留学生の中には、勉学優秀なだけでなく、その人柄も高く評価され、校内でプリフェクトに選出された生徒もいます。プリフェクトとは、日本でいう学級委員と風紀委員を兼ねたようなもので、文字通り学校のリーダー的な存在です。外国人留学生がプリフェクトに選出されるのは異例のことである、とウィットギフト校の先生方も驚きを隠しませんでした。現在彼は英国の大学に進学し勉強しています。このように浦高に入学し、ウィットギフト校に留学、その後英国の大学に進学するということが既に現実のものとなっています。また近年ウィットギフト校では新たなカリキュラムがスタートしました。これにより交換留学生が英国の大学のみならず、世界中の大学へ進学することが可能となっています。

英国ウィットギフト校長期交換留学のチャンス拡大
 平成18年度より、英国ウィットギフト校との長期交換留学制度の枠が拡大されることになり、平成18年10月19日本校校長室にて、両校校長の間で調印されました。
 姉妹校締結から15年、長期交換留学制度発足から10年が経過しました。ウィットギフト校側の浦高生に対する評価は人物面、学業面ともに極めて高く、留学枠の拡大が実現しました。
 従来の制度では1年間特別奨学生として授業料と寮費(食費を含む)の全てが免除されていましたが、平成19年度より条件を満たせば2年目も特別奨学生としてウィットギフト校に在籍することができるようになりした。これにより同年度にローワー・シックスフォーム(Lower Sixth Form)とアッパー・シックスフォーム(Upper Sixth Form)に1名ずつ在籍することができるようになりました。創立以来410年以上の歴史を誇り、英国有数の進学校としても知られるウィットギフト校で2年間勉学に励むと、英国の大学のみならず、世界中の大学へ進学することが可能になります。
19期生 竹村君 英国からのたより

19期生 竹村君 英国からのたより

英国からの便り1月号

  皆さんお久しぶりです、ウィットギフト長期留学中の竹村直敏です。相変わらず縮こまるような寒さで参ってしまいます。こちらではIB一年目の後半戦が始まり、これからはもっと果敢に挑戦していこうと意気込んでいるところですが、皆さんはいかがお過ごしですか。3年生はいよいよ勝負の時が近づいていますね。1,2年生も進級に向けて今は大事な時期だと思います。今しかできないことを全力でできるように心がけたいですね。

さて、実は新しい学期に入ってからは特に目立ったイベントはなくなかなかネタが見つからなかったのですが、ウィットギフトでの生活にも余裕が出てきて視野が広くなった今、改めて感じた浦高との違いや外部から見た浦高のイメージなどを書いていこうと思います。

 

 

 まずは学業面においてです。最大の違いは学校の枠を超えた学びへの意欲だと思います。こちらでは学校を超えて自分の興味関心を満たすための行動をとることが強く奨励されており、生徒たちは外部講師の授業や一般公開されているレクチャーを聞きにいったり、興味ある分野に関する動画を見たり本を読んだりなどカリキュラムを超えて学んでいます。つまり、学校を超えて、自分の好奇心を満たすという自主的な学習が大きく要求されています。浦高にいた頃の自分はあまりできていなかったので少し手こずっています。浦高では麗和セミナーがこれに似たような役割を果たしていると思いますが、正直なところ三兎を追うのに忙しい浦高生は少し学校を超えた活動には手を伸ばしにくいのではないでしょうか。(僕が知らなかっただけでやっている人もいると思います。その人はすごいです。)確かに、これを可能にしている要因の一つにはウィットギフトの部活の拘束力の弱さや、浦高に比べてそこまで切羽詰まっていないという状況もあるのではないかと思います。

 次に、特定の科目の話になってしまいますが、浦高とウィットギフトの化学の授業の違いについて話そうと思います。まず、実験の数がとても多いです。頻度としては浦高の物理実験よりも多いのではないでしょうか。実際、前学期の後半では週に一回化学の実験とそのレポート提出がありました。レポートも割としっかりしたもので、1回の実験につき10ページ程度のレポートを書かなければいけません。さらに、教え方も少し違うような気がします。こちらではどういう現象が起こるかではなく、どうしてその現象が起こるのかに焦点を当てており、そのため、テストでも現象のメカニズムを説明させる問題が多く出ます。今までやった範囲の中で特に色濃く違いを感じたのは無機化学の分野でした。浦高にいたころは反応式や沈殿、溶液の色などを頑張って暗記していた記憶がありますが、(僕の勉強の仕方が間違っていた?)こちらではなぜその反応になるのか、なぜその色になるのかなど、仕組みについて学びました。あやふやだった論理が自分の中でしっかりしたものになって、個人的にはとても楽しめています。ただ、このような違いも、前回触れたように、IBと日本の大学の求めているものが違うからだと思います。

 

 部活動は浦高ほど盛んではありません。体育祭や文化祭などの行事もないので、人とのつながりは浦高にいた時の方が強かったと感じています。また、これは浦高に限らず日本のような集団主義的価値観と西洋の個人主義的価値観の違いでもあるとは思いますが、浦高の方が結束力があって逆にウィットギフトは個人個人という感じはします。もちろん放課後に残ってみんなで勉強!という風習もありません。そもそも「クラス」という概念が薄いな~と感じています。なんとかしてもう少しみんなとの絆を深めたいところですね。

しかし、先生と生徒の関係はウィットギフトの方が強いかもしれません。進路指導など、浦高では1人の担任が40人のクラス全員を見るのに対し、ウィットギフトでは各教科担当の先生と1対1で面談することもあります。授業クラスの単位も10人前後と小さいので生徒一人一人によく目が行き届くのではないでしょうか。担任の先生のみが生徒の成績、進路について大きく関与するのと、教科ごとに担当の先生と成績、進路の相談をするのは大きな違いだと思います。

 改めて知った浦高の良さはやはり生徒同士のつながりの強さだと思います。忙しすぎるせいで生じるデメリットもありますが、それだけ密度の濃い時間をずっと一緒に過ごしているだけあってとても絆が強いと思います。大事にしてください。また、浦高は「公立の星」、「(格差のない社会の)最後の砦」なので、皆さんぜひその伝統をなくさぬよう頑張ってください。

 

 最後に、この場をお借りして3年生のみんなにエールを送らせてください。(そのために頑張って1月中に間に合わせました!)72期生のみなさん。残すところあと少しなので、さすがの浦高生も少しはピリピリしているのではないのでしょうか。本番も緊張するかもしれませんが、72期のみんななら大丈夫です。どんな形であれ、今までの辛い時間を耐え忍び乗り越えてきたみんなはもう十分にすごいし、誇りに思います。そんなすごいみんななら絶対にうまくいくと信じています。本番、自分の実力を思う存分発揮できるようにあと少し頑張ってください。イギリスにいても、心の底から応援しています。

 

夜のロンドン テムズ川沿い

英国からの便り12月号

 こんにちは。もう12月になってしまいましたね。ウイットギフトでは1学期が終わろうとしており、校内のあちこちにクリスマスツリーが飾られてすっかりクリスマスムードです。浦高でも2学期が終わろうとしているところだと思います。早い月日に置いて行かれないように一日一日意義を持って生きたいと思います。

 さて、前回少し先走って英文学の授業について書いてしまったので、今回はそれらの科目の大枠、こちらでの教育課程であるIBについてと、11月末に参加したポーランド交換留学のことについて伝えていきたいと思います。

 

  ウイットギフト校にはLower 1st formからUpper 6th formまでの8学年あり、浦高から長期留学する場合はLower 6th formに編入されます。Lower 6th formerはそれぞれA Level, IB, B-techの3つのカリキュラムの中から1つ選びます。A Levelは自分が学びたい教科を4つ選んでそれを中心に学ぶ感じで、B-techはスポーツが主です。浦高から長期留学する場合はIBをとることになると思うので、IBについて詳しく説明します。IBとはInternational Baccalaureateの略で、国際的な教育を提供し、全人教育を目指す課程です。IBは6つの科目;文学、言語(外国語)、人文学、科学、数学、芸術(もしくは科学、人文学、言語からもう一つ)から成り立っており、3科目をhigher level, 残りの3科目をstandard levelで取ります。ちなみに僕はhigherが数学、化学、生物で、standardが経済、英文学、スペイン語です。一教科7点満点とTOK(Theory of Knowledge), EE(Extended Essay)を合わせた3点満点の合計で、45点満点の成績です。最終試験は二年目(Upper 6th)の5月に行われ、その準備として一年目の4月末に模擬試験を受けます。その模擬試験の結果をもとに大学の志望を決めるので、「模擬」といえどもとても重要です。これを聞くと一年に一回しかテストがないから楽そうに聞こえるかもしれませんが、そんなことはなく、ちゃんと(?)科目ごと、各単元の終わりにテストがあります。浦高でいう数学の章末テストのようなものかと思います。加えて、IBには言語を除く各教科でInternational Assessment(IA, 別名コースワーク)という論文を書く課題があります。各先生によってその扱いは多少異なりますが、IAの練習としてたくさん書かせる先生もいれば、練習は1回だけさせてその後はあまり課さない先生もいます。僕の化学の先生はめちゃくちゃIAを書かせる人だったのでとても苦労しました。そのおかげで本番はだいぶ楽になると思うのでいいのですが。また、IBにはCAS(Creativity, Activity, Service)という学術面を超えた慈善、芸術などの幅広い活動プログラムもあります。これについては後で詳しく触れます。まとめると、IBの生徒はA Levelの生徒に比べるととてつもなく忙しいです。でも浦高で鍛え上げられた皆さんなら大丈夫だと思います。果敢に挑戦してください。

 

 続いてポーランド交換留学のことについて話したいと思います。ウイットギフトのIB交換留学プログラムとして11月29日から12月2日までの4日間ポーランドに行ってきました。ポーランドはヨーロッパにあるので英語圏かと思いきや、まだまだ全然英語は普及しておらず、大人よりも高校生などの若い人の方が英語を喋れるという感じでした。街中の標識なども英語で表記されているものはほとんどなく、英語圏でないという点では日本に似ていると感じました。それにしてもとにかく寒かったです。イギリスとは比べ物になりません。4日間で、ポーランド観光をしたりクリスマスマーケットを訪れるなどいろいろな体験をしましたが、一番印象に残っているのは第二次世界大戦博物館(Museum of the Second World War)を訪れたことです。個人的に、他国の歴史観を学ぶことはその国の価値観や考え方を学ぶことにつながると思うのでとても意義があると思っています。さて、肝心の第二次世界大戦博物館ですが、大戦以前のドイツ、ソ連とのいざこざと共にポーランド近隣での戦いについての展示物が多くあり、当時から残る事物や悲惨な光景がそのまま写されている貴重な博物館でした。ポーランドは歴史を通してドイツとロシアに領土を奪われ続け、独立するまでにとても努力を要した国だということを学びました。そしてその数々の戦いにも関わらず、ポーランドの人々はドイツやロシアと敵対しているというわけではなく、むしろ協力しようという姿勢が見られました。一際興味を引いたのがその博物館にあった第二次世界大戦中の日本の描写です。日本が「アジアの平和を脅かす存在だった」説明されるのはやはり心が痛みます。戦争は1回起こってしまうと戦争をやめるために人殺しをしなければならないという状況になってしまうので、絶対に戦争だけは起こしてはならないと思いました。日本を取り巻く海外情勢も変わってきて、近隣諸国との問題も出てきていますが絶対に感情に任せて間違った判断をしてはいけないと思いました。

 

 またまたページの関係で載せたい写真を全部は載せることができませんでした。受験生の皆さん、これから寒い冬休みがやってきます。辛くてくじけそうになることもあると思いますが、みんなにはともに頑張る心強い仲間がいます。互いに支えあって乗り越えてください。必ずやりきりましょう。一緒に頑張りましょう。

英国からの便り11月号

 皆さんこんにちは、Whitgift校留学中の竹村直敏です。こちらに来てから早くも2か月が過ぎようとしています。Whitgift校ではちょうど1学期目の半分が終わり、今はhalf term中(中休み、1~2週間ほど学校が休み!)で、ガーディアン(法的な保護者・長期留学するなら必ず必要)の家で過ごしています。イギリスでの生活にもだいぶ慣れて軌道に乗ってきたかな~という所です。ほとんど毎日雨が降っていて、日差しが恋しくなります。

 さて、今回は永遠に僕たち日本人を苦しめるであろうWhitgiftの英文学の授業とhalf term中に参加したBrexit抗議デモのことについて伝えようと思います。

 

 英文学は立場的に言えば日本の国語に当たる科目ですが、学ぶ内容は大きく異なります。こちらでは小説を読み、その内容についてクラスで議論していくような感じです。さらに、読む小説の内容がなかなか過激で、教師という立場を利用し女子生徒にわいせつな行為を試みてその先生が訴えられる話や(実際は女子生徒が大げさに取り上げただけですが…現代の日本に当てはまる問題ですよね)、今課題として読んでいる小説は誘拐・監禁事件の話で気が滅入ってしまいます。このような社会的な問題を描いた本を読むのには理由があり、生徒たちがその問題について考え、議論するためです。さらに詩の評論を書く練習もしています。慣れていないうえに詩の内容がよくわからないのでとてもとても大変で、いい点数を取るためにはまだまだ練習が必要です。授業進度はもちろんネイティブと同じなので、苦労します。このようにあらゆる面で骨が折れる英文学の授業ですが、この日本とイギリスの「国語」の違いの源はテストで求められることの違いにあると思います。日本では初見の文章を読み、与えられた問題に対して答えるので高い情報処理能力が求められますが、IB(今自分がやっているコース)のテストではエッセイを書くため論じる力が求められます。また口答試験もあり、そこでも本の内容について議論することが求められます(本は授業でやった中から選べます)。このような違いから授業に大きな差が生まれるのではないでしょうか。元をたどると、IBと国としての日本が求める人物像の違いに行き着くかもしれません。

 

 続いてBrexit抗議デモについてです。デモ行進に参加したのはこれが初めてだったので残念ながら日本のデモとは比べられませんが、テレビでデモの様子を見るのと実際に行ってみるのとでは大きく違いました。デモ行進は、ボリス・ジョンソン首相が新たにEUと合意した離脱協定案の採決が採られる10月19日に、EU離脱反対派の人々が再投票を求めるために行われました。

最後のチャンスだからでしょうか、規模がとても大きく驚きました。数万人の人々がロンドンに集まったと言われ、行進ルートは全面車両通行止めでした。さらに、世代もバラバラで、高齢者もいれば、20~30代の若い世代、さらには家族連れで小さい子もデモに参加していました。これは国民の政治への関心の高さの表れだと見てとれます。鳴り物を持参して音を立てたり、“What do we want?” “People’s vote!” “When do we want it?” “Now!!” と掛け声をかけていたりしていました。ただ、デモ行進といってもみな怒りに満ち溢れ暴力沙汰になるというわけではなく、実際は無理だとわかっているような感じですらありました。一緒に行ったガーディアンに話を聞いたところ、デモ自体があまり意味をなさなくても自分たちの意見を表すことが大事だ、と言っていました。そうは言っても、人々の叫び声の奥底にはやはり必死な思いが込められているように僕には聞こえました。

 

 最後に、全く関係ありませんがhalf term中にガーディアンに連れて行ってもらったウェールズの写真を載せて締めくくりたいと思います。

   

ウェールズの大自然

 

 本当は洞窟探検の画像も載せたかったのですが、ページの都合上入りませんでした。古河マラ頑張ってください。最後まで読んでいただきありがとうございました!

英国からの便り10月号

 皆さんこんにちは、9月からイギリスのWhitgift校に留学させていただいている36Rの竹村直敏です。高校生にして英国への留学というとても貴重な経験をさせていただいているので、このチャンスを最大限に活かしていこうと思います!この便りを通してみなさんにこれから1年間イギリスでの生活の様子を伝えていきます。こちらはもうすでに朝晩は吐く息が白くなるほど寒いです。この1か月間は宿題に追われ大変な日々を過ごしましたが、時間はとてもゆっくりと流れているように感じます。

  さて、今回は初回なのでWhitgift校での日常生活と今までの感想を少し書こうと思います。

まずは一日の流れです。朝は7時20分に学校の食堂が開くのでそれに合わせて起床し、スーツに着替えてから(僕たち6th form,高校2,3年生に当たる学年はスーツが制服です)朝食を食べに行きます。その後は一回寮に戻り、8時25分からある出欠確認をしにForm Room(出欠をとるHRみたいなもの)に行きます。朝は集会があったりForm Roomで哲学的なビデオを見たりする日もありますが、何もなくただ教室にいて1限開始の8時55分まで待つ日もあります。ちなみに授業は全員全部移動教室なので、教室を移動するときは廊下がとても混みあいます。また、6th formの生徒は時間割が一人一人違います。1コマ45分授業で、1限と2限の間の休み時間はありません。クラスの人が大体そろったら始まる、という感じです。2限が終わったら20分間の中休みがあります。詳しくは表を作ったので見てください。

8:55-9:40 period1
9:40-10:25 period2
10:25-10:45 morning break
10:45-11:30 period3
11:30-12:15   period4
12:15-13:00 period5
13:00-14:00 lunchtime
14:15-15:00 period6
15:00-15:45 period7

そんな感じで学校は15時45分に終わり、部活動がなければ寮に戻ります。寮生活は結構決められていることも多く、17時45分~18時30分までHomework time,6時30分から夕食、19時15分~20時までまたHomework timeで、消灯時間は22時30分です。学校のある5日間はだいたいこんな感じの日程です。

土日はみんなとてもゆっくり過ごします。まず、運動部で土曜日に試合がある人以外(ほとんどの寮生)は9時くらいに起きます。土日は朝食の代わりに10時30分から朝昼兼用のブランチを食べます。日本にはなじみのない文化なので正直お腹が空きます。日曜日は寮でtripを計画してロンドンの方まで行くこともありますが、有志です。行かなかった人はゆっくりしたり近くのスーパーに行ったりしています。

  続いて少しだけイギリスでの学業の話をします。まず一番強く感じたのはWhitgift校ではとてもIT化が進んでいるということです。Whitgift校には独自のオンラインシステムがあり、生徒全員に与えられたアカウントにイベントの情報や宿題が日々メールで送られてきます。また、ほとんどの授業がプロジェクターを使って進められます。冒頭でも触れましたが、宿題がたくさん出て、さらにresearch homework(調べてミニエッセイを書く宿題)が結構出るので携帯やパソコンが一種の必需品のように感じます。初めの頃は宿題にとても苦労しましたが今は少しだけ慣れてきたかなと思います。世界共通と思われている科学分野での定義も少し違うところがありますし、問題に対する答え方も日本と大きく違うように感じます。英語の面でも苦労していて、先生によっては授業が聞き取れないこともあり、自分の英語が通じない時もあります。全体的にもっと努力が必要だと感じる日々でした。

 浦高では文化祭が大盛況だったと聞き嬉しいです。最後の大会が迫っている部活もあると思います。今までの自分の努力を信じて頑張ってください。
 表面的なことしか伝えられませんでしたが、次回はもう少し踏み込んだ内容を、また写真等をのせて彩りある英国からの便りにしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 Whitgift校の校門

校舎

上の写真の時計の正面図

18期生 植木君、和田君 英国からのたより

18期生 植木君、和田君 英国からのたより

WG18期生 和田君 英国からのたより(12月号)

お久しぶりです。英国のウィットギフト校へ長期留学に来ている和田です。こちらは本格的に寒くなって来ており、最低気温が氷点下になる日もでてきました。高緯度に位置しているため、夏は日が長い一方、今はとても日が短く、学校が終わる時間(15:45)には既に暗くなり始めています(11月中旬現在)。

さて、今回は、オックスブリッジ(Oxbridge; Oxford + Cambridgeの略)に行った感想とイギリスの戦争観について書きたいと思います。

秋のハーフターム中(一年に長期休暇が6回あり、春、夏、冬休みという大きな休みの中間に「ハーフターム」という10日前後の休みがあります)はロンドンのホストファミリーの家で寝泊まりし、その間に日帰りでオックスフォード大学へ見学に行きました。現在オックスフォードに通っている過去の長期留学生達に大学内を案内していただいたので、迷子にもならず効率的に回ることができました。オックスフォード(ケンブリッジも同様)は大学というよりも「町」といった印象が強いです。なぜなら、分散して建っている「カレッジ(College)」と「学部(Department)」の集まりがUniversity of Oxfordと呼ばれているためです。元々はオックスフォードという既存の都市にカレッジが建ち始めたため、それぞれのカレッジの周りには未だに住宅街や商店街があります。大学が巨大に感じるのも無理はないですよね。オックスブリッジのカレッジ制は日本人には馴染みのない体制なので、英国からの便りで完全に理解するのは難しいと思います。詳しく知りたい人は自分で調べることをおすすめします!
印象に残ったのは、第一に、とにかく広いことでした。図書館等一般的な大学にある施設はもちろん、オックスフォードの町にないものはないのではないかと思うくらい、ショッピングモール、博物館、教会、映画館まで、すべて揃っていました。オックスフォードは、世界最高峰の大学として名を馳せていることに加え、ハリーポッターをはじめ多くの映画作品に使われていて知名度も高いので、国内外からの旅行客も多かったような気がします。そのため、学生に限らず、沢山の人達でにぎわっていました。
第二に、流石世界で二番目に古い大学なだけあって、やはり景観の荘厳さには息を呑みました。町や森の中を歩いていると、まるで中世の世界に迷い込んだような、もしくはファンタジー映画の世界に入ったような、そんな気持ちになりました。ハリーポッターのロケ地として使われたかの有名なボドリアン図書館や、町全体を見渡せるセント・メアリ教会を拝見することができ、感動しました。
肝心のアカデミックな面に関しては、実際に授業を受けることはできなかったため話を聞くことしかできませんでした。私が訪ねた国際開発学科(department of international development)は、少人数クラスでディスカッションベースの授業を展開しているようでした。学生の年齢は幅広く、共通していたのは学びに対する強い熱意と物事に対する自分の意見を持っているということのように感じました。自己推薦文や面接を重視するオックスブリッジの入学試験にも表れているように、これらの大学はクリティカルシンキングができる生徒を求めていて、まさにそういった生徒が集まっているのだと思います。
実は、それを痛感したのはケンブリッジの体験授業に行ったときでした。ケンブリッジが現役高校生向けに各科目の授業体験を提供するという企画に参加し、私は社会学を選択したのですが、そこに集まった現役高校生達の聡明さに驚愕しました。まだ全員高校生なのにも関わらず、100人余りの学生達の前で次々と講師に質問や批判をぶつける人達が大勢いたのです。更に驚かされたのは、彼らの知識量の多さでした。欧米の教育は、知識よりも考える力を育てることに重きを置くというイメージがあり、また実際にウィットギフト校でもそのように感じたのですが、ケンブリッジで見た学生達は信じられない程知識が豊富で、加えてそれを元に自分の意見を持っていました。彼らは自分の興味のある分野の本や講演等に自ら手を伸ばし、その知識を溜め込むだけで満足せずに自分の考えを深めているのだと思います。

さて、話題はガラリと変わりますが、11月11日が歴史上何の日かわかりますか?日本だと「ポッキーの日」等と言われているこの日、実は第一次世界大戦の終戦記念日なのです。イギリスでこの日は国民的に有名(日本で8月15日が終戦記念日として有名なように)で、ロンドンでは大きな式典が催されます。それに参加し、イギリス人が戦争をどのように捉えているのかを探ろうと考え、当日ロンドンまで行きました。以前アメリカに住んでいたときにも同じことを感じたのですが、イギリスもアメリカと同じく戦った兵士達を讃えていました。日本だと「勇敢に戦った兵士達」や「国のために戦った人々に感謝を」等兵士達を賛美するのはタブー視されていますが、まだ軍隊があるためなのか、そういった風潮は見られませんでした。気になってドイツ人の知り合いにも聞いてみたところ、同じ敗戦国のドイツでも戦争について話すことや兵士を讃えることは普通だと言っており、日本と全く違うのが興味深く感じました。式典では兵隊さんのマーチングバンドがパレードをしたりして賑やかでしたが、11時(休戦協定が発効された時間)に「Two minutes silence(二分間の沈黙)」という黙祷があり、その二分間はいつも賑やかなロンドンの町もしんと静まり返っていました。この黙祷には「国籍に関係なく大戦で亡くなった全ての人に敬意を表して」という意味があるそうです。

写真 オックスフォード大学


WG18期生 植木君 英国からのたより(12月号)

 どうもWhitgift留学中の植木です。2週間のハーフターム(中休み)も終わり(書き始めたのは11月の初めです…)、普段の学校生活に戻ってきました。こちらは日に日に寒くなり、外にいるのが辛いです。冬になってからというもの雨の降る頻度が非常に高く、夜に雨が降った日の朝は想像するだけで凍える気持ちです。突然ですが古河マラの季節も過ぎてしまいましたね。1年生の時は公欠で走れなかったので2年生しか走ってないです。高校生活最後の古河マラ走りたかったです。

 さてハーフタームですがガーディアンの家に泊まって主にロンドン観光を楽しみました。その中で1日、2年前にWhitgiftを卒業した竹内先輩を訪ねてオックスフォード大に行きました。午前中は物理学科と数学科の講義を聴講し、午後は観光でした。大学では物理をやりたいと思っているので、竹内先輩に紹介してもらった物理学科の人に付き添い、物理学科の講義を聞きました。2講座受講し、1つは電磁気、もう1つは微分方程式についての講義でした。1つ目はかろうじて「こんな感じのことを話してるんだろうな」くらいのことはわかりましたが、2つ目は内容が難し過ぎて全く理解できませんでした。まあこの時点で大学2年生の講義が完全にわかったら大学に行く意味がなくなるのでいいことなのですが。午後は竹内先輩に案内をしてもらい、オックスフォード大を見学しました。とても建物が綺麗で感動しました。ロンドンの街並みも好きでしたが、建物の美しさでいえばオックスフォードに軍配があがるかなと。中世風の建物が多く、とても素晴らしい街並みです。さらに夕方Whitgiftを卒業し、現在オックスフォードで修士課程をしている原田先輩と合流し、原田先輩の所属するカレッジの食堂で夕食を食べました。

 さてwhitgiftに在学した浦高生のなかで世界史のスタンダードを取ったのは僕が初めてなので少しここで浦和高校の世界史と比較した時の違いを簡単に述べたいと思います。理型だったので理型の世界史と比較します。まずテーマですが、2年間で2回の世界大戦にフォーカスします。教科書を読んでも世界大戦とスペインの内戦だの現代の戦争のことしか書いてありません。特に世界大戦の原因、過程、影響を深く考察します。授業で扱うテーマとして、何故ムッソリーニはイタリア議会を掌握することができたのか、第1次大戦の原因の中で各国の戦争の計画(ドイツのシュリーフェンプランなど)はどれくらいのウェイトを占めるのかといった感じです。先生は授業中あまり話しません。ほぼ話さない授業もあったりします。授業前にプリントが渡されるもしくは教科書の特定のページを指定され、その部分を読んでワークシートを埋め、そのあと生徒が発言し、そこに先生がコメントをします。ワークシートを埋めている間に生徒どうしがディスカッションを始めることもあります。(とても話すのが速くまだ聞き取れませんが)そして授業が終わると、週末の授業であれば課題用のプリントが渡されて、週末に読んで、ノートを取ります。こちらも例をあげますと第1次大戦のイギリスの海上封鎖は如何様の効果をもたらしたか、ファシズムとは何か(ファシズムの研究の動向)などです。和田くんの取っている経済や心理学に比べるとエッセイの分量は少ないです。今のところ2本しかエッセイを書いてないので、差は歴然ですね。ほとんどが文書を読んで、ノートを取るという課題です。さらにこちらでは歴史解釈も学びます。教科書にはいたるところに歴史家(歴史研究者)の言葉が引用されていて、エッセイを書く時も自分の議論の補強や反論をして議論を進めるために用います。最後にテストの話になりますが、こちらの世界史のテストは風刺画や新聞、雑誌の引用が与えられ、それらの意味や、歴史を論じる上での価値、限界などを述べ、最後に全ての資料を基にしてミニエッセイを書くというもののようです。知識だけを問うものではありませんが、基本的な知識がないと太刀打ちできないというものなのかな。個人的な話になりますが世界史を取っている上での悩みは自分の英語のリーディング能力です。リスニング能力はそれなりに上がり、先生の言うことは大体わかるようになったのですが、リーディングはまだまだ足りないなと言うのを感じています。留学前IELTS(英語能力試験の一種です)でリーディングに関してはかなり良いスコアを取ったので自信があったのですが、他の生徒に比べるとまだまだ読むのが遅く、資料を読み終わらないうちに議論が始まってしまうことも屡々、課題も長い上に、2回読まないと理解できず、かなり厳しいです。他にも背景知識の差も感じています。他の生徒はGCSE(Six Formの前のコース、まあ高校1年生で受けるコースと思ってくれれば)で同じようなテーマの世界史の授業をやっているようで、知識に関してはまだまだ追いつけないです。このようにまだ少々慣れないところもありますが、浦高にいた時のように楽しんで世界史を学ぶことができるように頑張りたいです。
(写真)オックスフォードの街並み

WG18期生 和田君 英国からのたより(10月号)

みなさん初めまして。ウィットギフト校に初の一般奨学生として留学させて頂いている和田浩平です。一般奨学生とは、生活費と学費を全額ウィットギフト校が負担してくれる特別奨学生とは違い、その半額をウィットギフト校に負担して貰う奨学生のことです。学力を元に選考されるのが特別奨学生ですが、一般奨学生は芸術やスポーツに優れた生徒を主に募集しており、私は音楽奨学生として留学に来ています。一般奨学生の制度はウィットギフト校との交換留学の規定にずっと存在していたのですが、過去にそれが使われたことはなく、10年目の今年にして初めて私が2人目として留学させて頂くことになりました。半額負担という規定なのですが、もう半分はありがたいことに浦高のOB会麗和奨学財団が負担して下さいました。
 寮生活については植木君が説明してくれたので、私は自分のロンドン観光と授業について話したいと思います。
 私達は8月29日にロンドンに到着し、寮に入ったのが9月4日だったので、1週間程ロンドンを観光する時間がありました。私は1日かけてテムズ川沿いを歩いて観光してみたり、博物館や美術館を転々と回ったりしたので、かなり沢山の場所に行きました。その中から印象に残ったことをいくつか紹介します。
 まずとても印象に残ったのがニューヨークのブロードウェイと並び評されるウェストエンドです。数々の演劇やミュージカルがほぼ1か所に集まって上演されており、とても賑やかな場所でした。日本だと劇場の場所がこんなに集まっていることはないので、人気の差を実感しました。チケットも安く、さらに当日券でもかなり見やすい席が取れます。私はレ・ミゼラブルを見に行ったのですが、当日券が£45(約7000円)で、前から5列目のど真ん中の席で見ることができ、目の前の生オーケストラ、迫真の演技、役者さんたちの表現豊かな歌声に圧倒されました。日本だったら半年前に予約して10000円、そしていい席はすぐに埋まってしまうのでその手軽さの差に非常に驚きました。
 もう1つ強く印象に残っているのは大英博物館です。広いとは聞いていたのですが、想像を遥かに超える広さでした。中に入った瞬間に「なんだここは、本当に博物館なのか、広すぎる」と思わず植木君と口に出してしまいました。流石世界最大級の博物館、全世界からの展示品がいくつもある長い廊下に並べられていて、1日で回るのはほぼ不可能に近い広さでした。かの有名なロゼッタストーンの前には常に人だかりができていて、説明文を読むのにも一苦労しました。
 他にもビッグベンやバッキンガム宮殿、ピカソの特別展などに行き、日本では中々できない経験を沢山することができました。寮があまり自由ではないのに加えて、学校の課題などで非常に忙しくなるので、週末には滅多に観光に行けません。中休みなど寮を出なければならない期間を使ってもっとロンドンのみならずイギリスの観光をし、随時報告していこうと思っています。
 さて、ウィットギフト校での授業ですが、日本との大きな違いはやはり1クラスの人数です。浦高では基本通常40人、少なくても半分に分かれた20人程度(文理混合クラスの数学Sや文系物理、現社選択などを除く)で授業が行われます。それに比べて、私のクラス(心理学、経済学、数学、英文学、フランス語、物理基礎)は多いもので10数人、少なくて2人です。その理由は、ほとんどの授業が先生からと生徒からの双方向で行われるからです。日本ではあまり考えられませんが、授業中に1回も発言しないということはほぼありえず、当然生徒が居眠りするというようなことにはなりません(実を言うと1度だけ目撃しました)。
 この授業スタイルのいいところは、生徒が授業を作っていくので生徒が授業の内容をよく考えること、またわからなかったらすぐに手を挙げて質問する生徒が多いので授業内容に置いて行かれないことです。生徒数が少ないので、先生との距離もぐっと縮まり、質問などがしやすくなります。授業中に討論、ディスカッションをすることも多く、本当に頭を使わされる授業が多いです。ただ、生徒が積極的に意見を言うので授業が中々進まないことがあるというデメリットもあります。誰かが意見を言っていたり、先生が話していたりするときに、それを遮って話す生徒もいるので埒が明かなくなったりします。
 もう1つの違いは学ぶ事柄です。私達はInternational Baccalaureateというコースで勉強していて、その特色として「幅広い分野の本質的な理解」というものがあります。実際にどのようなことをするかというと、ひたすら読む、書く、議論をする、の繰り返しです。どの教科も、「知識を増やす」というより「事柄を説明する」ということに重点を置いています。あくまでその事柄を説明するために必要な語彙を覚える、というスタイルで、日本の知識を増やし決まったパターンを暗記するというスタイルとは根本が異なるので、少し慣れないという感触があります。ここでいう事柄の説明とは、例えば「次の実験を、方法論的観点と倫理的観点から評価しなさい(心理学)」や「需要曲線と供給曲線が市場価格を決定するのはなぜか説明しなさい(経済)」といった問題で、見ればわかるように「どれだけ知識があるか」というよりは「本質的な理解ができているか」が問われます。最終試験がこのような問題ばかりなので、エッセイの宿題や記事を読んで来いという宿題が多いです。まだ量を書くのに慣れていなければ英語で書くのにも慣れていないので時間がかかって大変ですが、これから徐々にできるようになっていければいいなと思います。
 どうでもいい話で終わってしまいましたが、今回はここで終わりです。また次回、お会いしましょう!

WG18期生 植木君 英国からのたより(10月号)

みなさんどうもこんにちは。元38Rの植木誠です。9月からイギリスのWhitgift校に特別奨学生ということで留学させて頂いています。
英国からの便りということでイギリスの様子をこれからお伝えしていきます。
今回の主題はロンドンの観光と寮生活についてです。皆さんに少しでも僕たちの生活の様子が伝われば良いなと思います。

 僕たちは8月29日にイギリスのヒースロー空港に着いて寮が始まる9月4日まではイギリスのガーディアン(法的な保護者です。未成年がイギリスに1人で滞在する場合必ず登録が必要になります。)の家にホームステイしました。
 その御宅の奥さんは日本人で、日本語で会話していましたが、それ以外は全て英語だったので初めは本当に聞き取れなくて辛かったです。かなり和田に頼っていました。ホームステイが約1週間弱でガーディアンの家族の方々は毎日日中に用事があったようなので個人でロンドン観光に行きました。
 僕が行ったのはScience Museum, Albert&Victoria Museum, Tate Britainです。Science Museumは読んで字の如く科学博物館です。日本の科博ほど大きくはありませんでした。特に気に入ったのがチャールズ・バベッジの階差機関です。簡単に言えば当時航海などに必要だった対数などの数値を正確に、しかもその場で計算できる機械です。当時は政府が資金を渋って完成しませんでしたが、蒸気機関のコンピューターとも言える代物で、機械のフォルムがとても美しかったです。他にも作家のカズオイシグロの父で海洋学者であった石黒鎮雄さんという方が作った津波のシュミュレーションマシン等もありました。Science Museum に行った日の午後にAlbert&Victoria Museumに行きました。さながらヨーロッパ文化博物館といったところでヨーロッパの歴史にまつわる物品が展示されていました。インドの文化にまつわるものもあってシヴァ神の像には本当に感動しました。Tate Britainは美術館でターナーの絵が多く展示されていました。風景画は好きなのでとても楽しめました。僕の行った博物館、美術館の入場料は無料なのでロンドンに来たら行ってみてください。
(写真)チャールズ・バベッジの階差機関


 さて寮の話ですがまず寮の基本情報から紹介します。寮ができたのは2003年でWhitgift Schoolが設立されたのが1596年ですから寮は最近設立されたと言えます。寮には100人くらい泊まっていて結構中国の人は多いです。他にもヨーロッパ各地から学生が来ていて、ブルガリアから音楽の奨学金でWhitgift Schoolに来たという人と知り合いになったりしました。寮にはかなり音楽ができる人が多いです。他にもソロでヴァイオリンのコンサートをやっているような中国の人もいました。

 寮生活はあまり自由ではないです。宿題時間があってその時間は寮の中にいないといけなかったり、ロンドンに行くには先生、ガーディアンの許可が必要になったりします。このようにあまり自由ではないですが週末にスクールトリップということで寮の先生が引率してちょっとしたイベントに参加できます。ゴーカートに乗ったり、水上公園で遊んだり、O2というスタジアムの頂上に登ったり、いろいろありました。1日の流れとしては7時に起きて7時半頃に学校の食堂で朝食を食べ、朝にクラブ活動がなければ1度寮に戻ってから8時20分に登校します。実際そこまでご飯は不味くないです。ただ朝食は毎日似たようなメニューなので飽きるかもしれませんが。そして授業を受けた後は部活や他の放課後の活動がなければ寮に戻ります。寮でしばし休んだ後、6時頃から宿題時間が始まります。45分宿題時間があり、6時半に夕食です。夕食は結構バラエティに富んでいます。アジア系の学生も多いからかはわかりませんが、カレーとか照り焼きも出ます。食事は全てバイキングに近いです。昼食と夕食はメインやサブを幾つかの料理から選ぶ感じです。そのあとまた45分の宿題時間でそれが終わると自由時間です。そして10時45分に消灯という感じの生活リズムです。睡眠時間はなんと8時間以上!ルームメイトがいるので浦高にいた時みたいに日をまたいで課題を終わらすということができないです。洗濯は服を出しておけば寮のスタッフが洗濯してくれます。洗い終わったものがロッカーに入っているので、寮に帰った時に回収します。部屋の掃除もスタッフがやってくれるので身の回りのことは整理整頓以外任せることになります。部屋割りについてですが、Lower 6th (日本の学年で言えば高校2年生)ではダブルルームですがUpper 6th (同じく高校3年生)ではシングルかダブルか選べます。僕のルームメイトは生活リズムがしっかりしていて親切なので良かったなあと思います。寮にいる先生たちは泊まり込みの人と日直の人がいます。最近だと寮の日直の物理の先生に物理数学を教えてもらったりして結構楽しいです。
 今回は触れませんでしたがWhitgiftの理科教育や世界史の授業の様子についてもいつか触れたいと思います。読んでくれてありがとうございました!
17,18期生 藁谷君 英国からのたより

長期派遣生 英国からのたより

WG17期生 藁谷君 英国からのたより(12月号)

 皆さん、こんにちは。早いもので12月も中旬になり、今年も残りわずかとなりました。イギリスでは、少しですが、何度か雪が降りましたが、日本ではどうでしょうか。今回は12月号ということで、イギリスでのクリスマスの扱いやようすについてお伝えしたいと思います。
  
ウィットギフト校内あちこちに飾られるクリスマスツリー

 欧米ではクリスマスを盛んに祝うという印象はありましたが、特にイギリスではクリスマスは1年で一番大きいイベントみたいで、12月に入ってからはもちろん、11月の下旬には既にあちこちでクリスマスムードになっていました。街中はもちろん学校でも校内の数か所(僕が見ただけでも7か所)にクリスマスツリーがかざられていて、いろいろなところでクリスマスデコレーションが見られました。クリスマス関連のイベントとしては、クラス内や寮内でランダムにひとが振り分けられてその人に匿名でクリスマスプレゼントを贈るというSecret Santaや、いつもと比べてちょっぴり豪華なイギリスでいうクリスマスらしい食事を取るChristmas dinnerが寮の企画であったり、同様にChristmas lunchが平日学校であったりと、イベントも数多くありました。Secret Santaではあまり知らない人にあたったため何を贈ればいいかわからず少し困ったりしました。Christmas dinnerでは普段特に何も敷かれていないcafeteriaの長椅子とテーブルもクリスマスらしくデコレーションされ、寮のfamilyというグループに分かれてクリスマスにちなんだ歌を歌ったり、寮としての1年の振り返りをしたりして、大変盛り上がりました。Christmas lunchでは普段cafeteriaを利用しない人も食べにくるせいでいつもならほとんど並ばない時間でも15分待ちでとても人気でした。
  
 冬休みの予定を聞かれる時にも、”What are your plans for Christmas?”, と聞かれて、日本では冬休みといえば大晦日やお正月のイメージが強いですが、イギリスではクリスマス休みという感覚なのだなあと感じました。 ちなみに、冬休みはこちらでは2週間半ほどあるのですが、寮でもほとんどの人が実家に帰って家族と時間を過ごすみたいで、家族旅行にいく人も多いみたいです。

最後になりますが、3年生のみなさんはセンター試験まであと1か月を切っているということで体調に気を付けて第一志望合格めざしてがんばってください、1・2年生も寒くなってきましたので体に気を付けましょう。それではまた次回お会いしましょう。
16,17期生 ゴーマン君 英国からのたより

16,17期 ゴーマン君 英国からのたより

16期生ゴーマン君 英国からの便り 5月号

2・3年生のみなさんお久しぶりです。学年が上がり、ますます忙しい浦高生活を送っていることと思います。そして1年生のみなさん、はじめまして。現在イギリス、ウィットギフト留学中のゴーマン朗馬です。歓マラも終わり、いよいよ浦高生活になじんできたところでしょうか。

 

自分はibmock exam(模擬試験)が終わり、今は教科別に出されるコースワークに取り組んでいます。この模擬試験というのは来年の本試験にむけての練習という意味で受けるのですが、それだけでなく志望する大学に送る成績(predicted gradesを決定するための試験でもあったのでみんな真剣に準備して臨みました。今年学習した内容すべてが試験範囲だったため大変でしたが、幸い2週間ほどのイースター休みがあったので助かりました。試験の結果にはそこそこ満足しているのですが、生物の試験勉強に時間を割きすぎたために数学と経済の復習が満足にできなかったのが反省点です。また、今取り組んでいるコースワークは教科ごとに課題が異なりますが、どれもibの成績の約20%の配点が与えられています。今のところ経済のコースワークの下書きが終わり、生物のコースワークの実験を行っているところです。経済のコースワークでは実際の記事を自分で選び、経済の知識を使って記事を説明、分析することが求められます。僕はインドでのたばこ税増税についての記事を使いました。また、生物のコースワークでは自分で実験をデザインし、10時間でその実験を行い、レポートを書き上げます。僕の実験テーマは、酵素(プロテアーゼ)の濃度が牛乳のたんぱく質を分解するのにかかる時間にどのような影響を与えるかということについてです。実験自体は面白く、器具や必要なものは全てtechnician (技術者)がひとりひとりの要望に応えて準備してくださるのでとても便利です。しかし、レポートでは手順や実験器具、結果だけでなく誤差や実験の危険性、正確ではない点、一定にする条件とその理由など様々なことを考察しなければならないため骨が折れます。結果の統計やグラフなども合わせ12ページほど書くようなので仕上がるまでにかなり時間がかかりそうです。

 

次に、コースワーク以外のibの課題について少し説明しようと思います。Ibではextended essay (EE) theory of knowledge essay (TOK essay)という2つのエッセイが課されます。これらはibの最終成績45点中3点分に等しく、テストの点数とは違って、ポイントを押さえればしっかりとれる点数らしいので先輩方や先生方からは何度もこの課題の重要性について聞かされています(笑)。 しかし、このエッセイは簡単というわけではないようです。EEにおいては、自分が大学で勉強する教科について本や実験などの知識をもとに4000語の論文を書き上げます。これがかなり時間がかかるみたいで、もうすでに今から自分が書く内容についての読書や下調べを行っていて、夏の間に書き上げます。大学によってはこのEEを非常に重視するところもあるそうなのでibの成績のためだけではなく、大学に自分の勉強したい教科に対する熱意を示すいい機会になります。さて、TOK essayについても少し触れておきましょう。そもそも、theory of knowledgeとは何のことだと思いますか?答えは面白くないのですが、直訳の通り「知識論」といったところでしょうか。私たちはなぜ・・・だと知っているのかについて考察する授業です。授業では8つの「知る」方法、そして様々な知識の分野についてどのようにして知識を得ているのかについて議論しています。話をTOK essayに戻しますと、今学期中にknowledge question というエッセイタイトルを決め、それについてのプレゼンを行います。そして、そのプレゼンを元にエッセイを書き進めるみたいです。このプレゼンは二人組で行い、一人当たり10分話さないとならないのでこれにもかなりの準備が必要です。また、knowledge question はあまりはっきりしないことが多いので(例、宗教は倫理的な考え方においてどのような影響を与えるか)自分の意見を現実世界の例を用いてまとめることが求められます。毎日の授業で出される課題はもちろん、これらの授業以外での課題も同時進行で終わらせなければならないのでとても忙しいですが、手際よくこなしていきたいです。

 

では、今回はこれぐらいにしようかと思います。次回はオックスフォード大学の見学、ポーランドでお世話になった文化交流の人たちのイギリス滞在について書くつもりです。

0
15,16期生 竹内君 英国からの便り

長期派遣 竹内君 英国からの便り

英国からの便り(5月号)

 こんにちは。

 いよいよあとひと月でlower 6thの一年も終わってしまいます。さらに、一つ上の学年は、IBの本試験が5月のうちに終わってしまったので、一年後にはIBさえも終わってしまうのかと時間の流れが恐ろしくなります。

 三学期(Trinity term)は、IB二年目の学生以外も、それぞれのコースの最終試験をうけています。一か月ほどテスト期間ということで普通の授業はなくなり、補習授業、テストを受ける以外は学校に来なくてもよくなります。日本の入試とおなじで、この試験の成績が大学に送られて合否が決まるのでみんな真剣です。

 IBの一年目は、試験はないのですが、最終成績に影響するコースワークに取り掛かっています。物理と化学では実験レポート、経済では最近の経済に関する記事を、経済の授業で習った知識を使って説明する課題をやっています。

 今回の英国からの便りでは、今まで見つけた日本とイギリス(whitgift校)の違いを書いていこうと思います。

・服装など

 最後の二学年に当たる6th Formはスーツに学校のネクタイ、ほかの生徒は校章入りの学校の制服を着ています。全員ネクタイをしていて、最初見たとき妙に思いました。学校にいる間もずっと制服なので、休み時間に走り回って遊んでいる時も彼らは制服を着っぱなしです。制服が学業成績を高めるということで、イギリスはこういう制服のある学校が多いらしいです。

 靴はみんな革靴で、上履きはありません。したがって、どの扉からも学校に入れます。

・授業

 各授業でメンバーも違うので、すべて移動教室です。物理・化学はたいてい実験室が使われます。基本的に授業の始まりと終わりのあいさつとかはなくて全員集まったら始まり、終わったら各々thank you, sirとか言って去っていきます。板書だけというよりは授業にパワーポイントを使う先生が結構多いです。そうでなくても黒板に直接書かないで手元で書いたものをプロジェクターを使って写す先生もいます。日本とかなり違うのは、一つのクラスが最大でも10人で、少人数の授業なので生徒たちもよく質問しているし、先生との会話もかなりあります。

・先生

 男性の先生は、スーツを着るのが決まりのようです。学年が多いことや少人数授業なこともあって先生の数はかなり多いです。オフィスが最低でも教科ごとに別々のところにあって、一人や二人だけで使っているものなども学校中に点在しています。そのため、僕はオフィスがどこにあるか知らない先生もいます。その他、化学物理は実験道具を管理しているtechnicianという人たちが複数人いて、実験の道具の準備や後片付けはその人たちがやっています。

・その他

 日本と違って、掃除はありません。毎日掃除するのに雇われた人たちが、放課後掃除をしています。そのせいかわかりませんが、床が紙のごみでかなり散らかっていることがままあります。

 飯の時も、こぼしてもそのままにしておくのでメニューによってはテーブルがかなり汚くなります。昼飯の時には、罰としてテーブル掃除をやらされている生徒が必ずいて、ランチの時間テーブルの間を歩きながらそういう食べ残しを拭いて回っています。

 あとは、扉や曲がり角で行き違いになったときに、相手に先を譲るafter youていうのが、よく起こるのですが、いつも譲られています。どうもタイミングというか反応が鈍くて先に言えないでいます。

 最近実験をすることが多かったのですが、実験中は、誰かしらがスピーカー使って音楽を流していました。

14,15期生 林君 英国からの便り

林君長期派遣レポート

英国からの便り(3・4月号)

英国からの便り

  Yuki Hayashi

みなさん、こんにちは。まずは、1年生のみなさん、これからの3年間の学校生活が素晴らしいものとなるように願っています。そして、2,3年生は学年が上がり、学校を背負っていく立場になりましたね。学校の中でも外でも思う存分暴れてほしいと思います。イギリスから応援しています。

イギリスではイースター休暇のすぐ後にMockと言われるIB(インターナショナルバカロレア)の校内模擬試験がありました。この試験はとても大事なもので、この結果をもとに学校は大学側に成績を送ります。つまり、大学に志願する際の個人の成績としてMockが使われるということです。

自分の専攻しているなかで1番大変だったのは心理学でした。テストはすべてエッセイ形式の問題なので、深いところまで理解していないと良いエッセイが書けません。そして心理学は覚えることが非常に多く、研究者の名前や研究の行われた年、研究の目的や手順、結果などすべて含めなければなりません。結果では、実験参加者の何%がこのような行動を示したなど、詳しい数字も知識として必要で、復習しているときは頭の中が数字だらけでした(笑)かといって覚えればそれでいいというわけではなく、設問に対する答えをうまく研究の結果と結び付けてまとめる力が必要です。

自分はその結論を書きあげるのにとても苦労しました。これはもう慣れるしかないと思い、イースター休暇前にひたすらエッセイを書き、先生に直していただいたのを覚えています。特に休暇前の2週間はほぼ毎日エッセイを提出していたので、多忙な業務の合間をぬって添削してくださった先生には本当に感謝しています。問題としては”Discuss the role that one cultural dimension might have on behavior”(文化的側面が持つ人間の行動への役割について論ぜよ」などがありました。

余談ですが、日本では答えがあっていればマルを、間違っていればチェックかバツ印をつけますね。それに対して、イギリスではあっているものにチェックを、間違っているところにバツ、またはマルをつけます。イギリスに来た当初はこの事実を知らずに課題で正解にマルをつけて提出したところ、先生がすべて間違っていると思ったらしく、本気で心配されたことがありました(笑)

さて、イギリスでは5月に総選挙が行われました。イギリスの総選挙は5年以内に1度で極めて大事なものらしく、国民の注目度は非常に高いです。開票の際は学年全体でかなり盛り上がり、拍手やブーイングなどが頻繁に起こりました。この時期に感じたことは、周りの人はみな政治に大きな関心があるということです。生徒の間でも自分の支持する党に関して活発な議論が繰り広げられていました。イギリスには移民が多く、移民の受け入れを支持するかがとても大きな問題です。このグローバルの時代、将来日本にも移民を受け入れるか受け入れないかという選択を迫られる時が来るかもしれませんね。

 イギリスの夏休みは7月の頭から始まります。そこまでしっかりと集中して、1年をよい形で締めくくることができるように頑張っていきたいと思います。では、また次回お会いしましょう。


 

 

 

 

13,14 原田君 英国からの便り

原田君長期派遣レポート

11,12期生 植山君 英国からのたより

植山君マンスリーレポート

No.9(5月号)

 
 5月はIBの本試験がありました。僕たちの学年のIBの生徒は来年のこの時期にIBの本試験を受けます。試験はおよそ一か月間かけて行われます。1日で一つだけテストを受けたり、2つ受けたり、テストがなかったりと、日本のように全員一斉に同じテストをうけるわけではありません。各々が自分の選択した教科とレベルに合わせてテストを受けます。同じ時期にAレベルの生徒も試験がありました。Aレベルの生徒は年に一度試験があります。学年末テストのようなものです。しかしこの成績が大学に直接送られるので非常に重要です。

 さて6月上旬にはハーフターム休暇がありました。僕はAレベルの科学を選択している生徒たちと一緒にアイスランドに旅行しました。この旅行は学校行事の一環です。今回は1週間というとても長い滞在で予定もぎっしりと詰まっていました。アイスランドは日本のようにプレートの境目にある島国です。地震や噴火といった自然現象が頻繁に起こることで有名です。ただし日本と違いプレートが広がっていく境目なので自然現象のメカニズムは大きく違います。またアイスランドは高緯度にあるので僕が滞在している間は真っ暗になることは一度もなく夜中でもうすぼんやりと明るいままでした。また標高の高い山には氷河が残されています。滞在6日目に僕も氷河を見に行きました。火山灰の降り積もっているところだけ氷河が解けずに残ってホーンを形成していました。このホーンは一見するとただの火山灰の山ですが踏んでみるとただの氷の塊です。氷河を歩くときはこれにつまずいて氷河の隙間に落ちる危険性がとても高いそうです。

 アイスランドは地理的特徴を生かして地熱発電が非常に優れています。アイスランドの北東側にはアイスランド最大の発電施設があります。この施設は首都のレイキャビックの総消費電力のおよそ3倍の電力を発電できます。この施設で使われている技術の開発には三菱や東芝といった日本の企業も大きくかかわっているそうです。

 アイスランドは非常に小さな国で人口も少ないですが、その独特の地形や地理的特徴から多くの科学者が欧米から研究にきています。アイスランドの国立の大学もイギリスやドイツ、フランスといった国々と多くの交換留学制度を設けているそうです。火山や地熱発電、プレートテクトニクスに興味のある人はぜひ調べてみてください。
 

9,10期生 廣澤君 英国からのたより

廣澤君マンスリーレポート

廣澤君 紹介

ホイットギフト校長期派遣へ向けての抱負

 こんにちは。第9期の長期留学生としてホイットギフト校に留学することになった廣澤です。
 僕は今回の留学を通して世界で使える英語を身につけ、たくさんの友人を得て、たくさんの貴重な経験をしたいです。

 ホイットギフト校では他の国から来た留学生とともに生活することになります。異なる文化を持ち、異なる考え方を持つ人と交流することには苦労するかもしれないけれど、自分にとってとても良い刺激になると思うし、他の国の人々を知ることで逆に日本について新たな発見も生まれてくると思うのでとても楽しみに思っています。

 ホイットギフト校ではIBコースというコースをとります。イギリスでは他にAレベルという専門性の高いコースもありますが、IBコースではより広い分野を学ぶことになります.僕はENGLISH, JAPANESE, PHYSICS, CHEMISTRY, GEOGRAPHY, MATHEMATICS をとる予定です。おおまかに日本とイギリスの授業の違いをまとめると、日本では大人数のクラスで知識の整理がより重視され、イギリスでは少人数クラスでdiscussionを中心に行うそうです。僕は今まで受けたことのないタイプの授業を受けることになるので不安もありますが、出来る限り早く適応して積極的に発言していきたいと思っています。
 またホイットギフト校ではスポーツや芸術活動にも力を入れていて、芸術活動では特に音楽が盛んであるそうです。僕はスポーツや芸術なら国籍は関係ないと思うので、そちらの面でも積極的に関わっていきたいと思います。特に日本でやっていたスポーツを続けていくつもりです。
 僕は多くの人の協力によってこの留学の機会を得ることができました。そうした人々への感謝の気持ちを忘れないで、楽しんで留学生活が送れるように頑張ります。
 

長期留学総括レポート2009~2011はこちら (廣澤くん最終報告.pdf

8,9期生 翁君 英国からのたより

翁君マンスリーレポート

翁君 紹介


 僕は世界を舞台に活躍するような人間になりたいです。

 高校生のこの時期から留学することはとても有意義で、英語が欠かせない将来の国際社会に生きるためには、重要な意味を持つようになると思います。また、英語だけではなく、東欧各国からの留学生たちと寮で共同生活をすることで、異なるいろいろな文化に触れることができ、自分自身の自立性や社会性をも鍛えることができます。言語の壁などの多くの困難が立ちはだかるけれども、それらに打ち勝ち、より一層成長して帰って来ます。

 Whitgift校ではインターナショナル・バカロレア(IB)というコースで、英語、日本語、化学、生物、経済、数学の6科目を勉強する予定です。 Whitgift校は少人数教育、エッセー教育をベースとし、論理力や表現力を伸ばす高度な授業を展開している一方で、スポーツや音楽などもすばらしい成績を収めています。このような優れた環境の中で勉強できることを誇りに思います。自分の力がどれだけ通用するかはわかりませんが、最後まで諦めずに、目標に向かって一生懸命やりたいと思っています。

 僕は長い間ずっと今回の長期派遣に選ばれたいと願ってきました。今は本当にうれしく思っています。英語圏の国で勉強できるのは滅多にないことなので、与えられた貴重なチャンスを大事にして、今後につながるようにがんばります。
7,8期生 濱田君 英国からのたより

濱田君マンスリーレポート

濱田君 紹介

ロンドン インペリアル大学合格!
Imperial collage London
Biochemistry(生化学)コース

私の留学の一番の目標は、世界中の人々と完璧にコミュニケーションを取れるようになることです。また、ホイットギフト(以下W校)での授業は浦高の雰囲気とは異なり、もちろん全て英語で学ばなければなりません。海外に住むことは憧れていましたが、今まで真剣に自分の事として考えたことがなかったので、まだ実感としては湧いてきませんが、とにかく一生懸命頑張りたいと思います。

 W校では、インターナショナル・バカロレア(IB)コースを選択し、学科としては、英語、日本語、数学、化学、生物、心理学の6科目を専攻します。私は短期派遣の時にW校に訪れ、実際の授業等を見学してきたのですが、学問に対する情熱がひしひしと伝わってきて、驚きました。このような環境で、私も彼らと一緒に勉強できると思うと、とても楽しみです。

 外国での長期に渡る生活は異質なもので、日本とのギャップも生じてくると思います。しかし、世界には様々な考えがあるので、お互いに理解し合い、全ての事を新しい体験として、吸収していきたいです。また、私からも日本の文化や、考え等も伝えていきたいです。18という年齢で、このような厳しい状況に身をおくことは、人間としての器を大きくし、これからの国際社会において、絶対に有意義なことだと思っています。だからW校では、自分の限界まで様々な事、特に、勉強、スポーツ、芸術に積極的に挑戦し、留学を終えたときには、今より何倍も成長できるように、日々努力を続け、精一杯頑張ります。
5,6期生 大谷君 英国からのたより

大谷君マンスリーレポート

大谷君 紹介

ケンブリッジ大学合格の快挙!
~浦高生、ニュートンの後輩に~

大谷君は、2008年1月、見事に
ケンブリッジ大学ピーターハウス・カレッジ・ナチュラルサイエンスコースに合格しました。
彼はホイットギフト校で2年間、IB(インターナショナル・バカロレア)コースで勉強し、
外国人留学生ながら、学年トップの成績を収めていました。
そしてホイットギフト校での課程が修了した後も大学進学の準備を続け、今回の快挙となりました。

ピーターハウス・カレッジは1284年創立のケンブリッジ最古のカレッジであり、
1学年の募集定員が全体でわずか80名程度のケンブリッジ最小のカレッジでもあります。
その規模の小ささから、教授と学生の距離が非常に近いカレッジとしても知られています。
大谷君
ホイットギフト校長期派遣へ向けての抱負

 私がこのプログラムに応募した理由のひとつに、異国の学生たちに囲まれて生活してみたいと強く思ったということがあります。  幸いにも、過去にも浦高でホイットギフト校短期派遣とミシガン大学サマープログラムへの派遣と2度海外で勉強してくる機会が与えられ、そこでたくさんのすばらしい学生たちと出会うことができました。アメリカや韓国、イギリスといったさまざまな国の学生たちと自国の文化、世界の出来事などについて話をし、自分の知らない世界、考え方の多いことに改めて驚かされました。このプログラムを通して多民族社会という新鮮な環境に身をおくことで、将来、世界の舞台で仕事をするようなとき、文化の異なる相手を理解し、評価できるような柔軟な姿勢、考え方を得たいと思っています。
ホイットギフト校ではインターナショナル・バカロレアコースを選択し、数学、化学、生物、経済学、英語、日本語を勉強することになっています。インターナショナル・バカロレアとはスイス・ジュネーブに本部を置くインターナショナル・バカロレア機構が提供する国際的に極めて評価の高い教育プログラムです。その資格を取得することで、英国国内の大学のみならず、世界中の有名大学に入学することが可能となります。このチャンスを最大限に生かしたいと思います。
 単に英語の勉強という小さな目標にとらわれるのではなく、異国の学生たちの間で勉強するという、留学からしか得られないような貴重な経験を得て、この与えられたチャンスを自分にとって有意義なものとしていきたいです。

長期留学総括レポート2005~2007はこちら (大谷君報告書.pdf 
 
2008年05月31日付「デイリーヨミウリ」に掲載されました(大谷君記事.pdf

3,4期 株田君

ロンドン大学経済学部 合格!

The University of London

The London School of Economics and Political Science (LSE)

BSc Management

2月の内定通知から5ヶ月。6月の最終試験から1カ月半。ロンドン大学入学が現実味を帯びてからも、これだけの時間が今日の本発表に至るまでに経過した。
 ―そして、ついに‘合格’― 喜びの気持ちと共に、留学中の楽しかったこと、つらかったことすべての出来事が思い出され、その間の努力は私を裏切らなかったということを確認してくれる。英有力紙Timesによる世界大学ランキングでは社会科学分野で2位だという。どうやら寝食を忘れて研究に邁進できる環境と言えそうだ。そうした環境に身をおくことでこの先さらに自分は成長できるのではないかと思う。
 しかし何にもまして重要なのは、浦高やホイットギフト校の先生方・友人、家族など、今までお世話になった人々の応援がなければ、自分はここまでたどり着けなかったであろうということ。温かなご指導・ご支援は、挫けそうになったときを含めいつも私に留学当初の目標を思い出させてくれた。この場を借りてそうした全ての方々へ厚くお礼を申し上げておきたい

株田君報告書.pdf (PDFが開きます)

 

 第3・4期浦和高校英国姉妹校長期派遣生 株田靖大

 

 去る7月1日、2年間を過ごした英国パブリックスクール・ホイットギフト校(以下ホ校)を卒業した。「派遣生」という肩書きで来たのは事実だが、一般の生徒と同じように勉強し、クラブ活動に参加し、そして英国大学進学の道を切り開いてきたのだと思うと、とても誇らしい気持ちになる。数えられないほどの楽しい思い出と共に、異文化・異言語のなかでここまで来たという充実感・達成感、そしてホ校が提供する質の高い教育によって得たロンドン大学への足がかり、この2年間の収穫はどれを振り返っても留学前の私の想像をはるかに凌駕する中身の濃いものだったと言えそうだ。

 そんな訳で今回のレポートでは、「浦高進学を考えている中学生」に標準を絞り、進学の是非を検討する際にこの留学制度は‘浦高の魅力’としてどれほど考慮に値するか(もしくはしないか)、そういったことを論じたいと思う。

 一番最初に触れておくべき長期交換留学制度の特質は、おそらく、年間260万円相当もの授業料・寮滞在費が、毎年1人の浦高生には免除されるという点であろう。県立高校としては、また日本全国見回したとしても、これだけ好条件の留学制度を独自に持っている高校はまず浦高くらいではないか。あとにも触れるが、相手校の質の高いパブリックスクール教育を考えればなおさらである。
 浦高とホ校間の協定を見てみると、毎年新三年生の希望者の中から1人に上記の奨学金が与えられる、とある。一般的に言って、留学を希望するものにとってその経済的負担とは悩みの種であることが多いのだが、その点留学に要する全ての経費を学校側が責任を持つというこの留学プログラムは、現地での安定した生活を保証するという意味において、高く評価されるべきであろう。

 次に、これは寮滞在費免除という点に関わってくるのだが、浦高からの留学生は滞在する寮で東欧の学生らと共同生活を営むことになる、というのがある。というのも、旧ソ連圏の発展途上国から優秀な学生を毎年5人程度受け入れ、彼らの英国大学進学を援助するという活動を、ホ校は上述の奨学金制度を通してここ 10年程既に行ってきているのだ。そういった事情から、浦高からの派遣奨学生もそれらの東ヨーロッパ出身の学生らと共に寮生活をすることになる。

 例えば昨年の私はチェコ、モルドバ、クロアチア、ブルガリアそしてハンガリーからの学生と共に生活をした。当たり前ではあるが、言ってみれば寮のなかでは皆が‘外国人’なわけで、皆が良い意味で競い合いながら、そしてまた不必要な羞恥心に苛まれることもなく、互いの英会話力を磨き合える。またなによりも、食事も一緒、洗濯も共同、学期中に計画される寮主催の旅行を通してなど、とにかく‘留学’という期間の中で彼らと共に過ごす時間が長いのだ。そうした中で自然とはぐくまれる友情・繰り返される彼らとの熱い議論は、留学中私の中のフロンティアを幾度となく開拓してくれた。
 彼らはさすがに各々の国を代表するエリートであり、日本のことを紹介する際もきまって鋭い質問を私に浴びせかけてきたものだ。そうしているうちに私が学んだのは、なにも論理的な話法で相手を説得する卓越したプレゼンテーション技術だけではない。それよりも、自分は日本の何を知っているのか(i.e.知らないのか)、自分はなぜそれらを伝えたいのか、自分はこれから何を経験したいのか・学びたいのか、そうした自分に対する無数の質問である。自らのアイデンティティを再確認する作業とでも言えばいいのだろうか。
 こうした一種の‘試練’を乗り越えながらの精神的成長は、そこで身につく英語力と同等に、もしくはそれ以上に、10代のこの時期から得る価値は十分にあると言えるだろう。ましてグローバル化が叫ばれる21世紀である。貴重な国際感覚と確かな英語力、両者はこの留学プログラムの特筆すべき点と言えそうだ。文武両道をめざして浦高入学を希望する中学生諸君にとって、バランスの取れた人格形成に大いに寄与するであろうこの留学制度は、大変に魅力的なものであるだろう。


校庭の片隅にある寮 
1階には6人の学生が、上階には寮監の先生夫妻が住む


湖水地方へ旅行した際に寮の仲間と
(左から3人目が筆者)

 そして、最後に、しかし一番強調しておきたいのは、ホイットギフト校が伝統的な英国パブリックスクールの1つである、という点である。そもそも英国においてパブリックスクールとは公立高校を意味しない。完全な私学であり、それも1600年前後に貴族子弟のために作られた‘エリート養成機関’という意味合いが強い。現在でも政・財・学界で活躍している人々の中にはパブリックスクール出身者が際立って多い。そうしたパブリックスクールの中でも特に上位校であるホイットギフトは、その伝統と豊富な資金力を背景に非常に質の高い教育を提供しているのだ。オックスフォード、ケンブリッジ、ロンドン大学など、世界的にも著名な大学へ多数の生徒を送り出していることをとっても、この点はうなずけるだろう。

 例えばホ校では、少人数教育(1クラス生徒平均7~8名)により教師は一人一人の生徒に確かな注意を払え、それだけ授業中の指導は密度の濃いものとなる。またこうした規模の小さいクラスでは、徹底した小論文(essay:エッセイ)指導が可能となるのである。確かに、昨今の日本の入試事情を鑑みても、選考の際に小論文作成を課す大学が増えてきたという感じはする。しかし、高校教育の段階でエッセイ指導にこれだけの労力を注ぎこむ英国の姿勢は、あきらかに日本の教育のそれと違うように私には思われるのだ。それは偏に、生徒の‘論理力’の養成を高校教育の最重要課題と見なすが故であろう。「必要な情報を探し出し、それを加工・分析して、求められる形で表現する」という一連の作業が良い小論文を書くには必要不可欠であることは言うまでもない。しかし、授業の中で幾度となく繰り返されるこの種の作業によって、生徒は卒業までに確かな論理力と自らの意見を発信する術を完璧なまでにまさに‘学ぶ’のだ。
 ちなみに、ロシア革命に関する3千語程度のエッセイを3週に1度のペースで私はこれまで課されてきたが、そこで培われたエッセイの書き方、物事の論理的分析方法、その他英語長文書き方のコツなどは、全てこの9月から始まるロンドン大学での研究生活を土台として支えてくれるだろうと信じている。

 と、ここまでこの長期交換留学制度の利点について詳細に説明してきた。実際に私は、ホ校や英国大学の教育システムに大変魅了され、イギリスの大学進学を決意するに至った。しかし、である。そんな私でもすべての人にホイットギフト校留学を薦めようとはまったく思わない。先にも述べた経済的負担の大きさもさることながら、留学を成功させたいと思うのならばやはりそれ相応の覚悟と忍耐が必要になってくる。また、日本の大学に浦高後の進路としてより大きな魅力を感じるならば、それはそれで良いのだと思う。詰まるところ、海外留学の価値など人によって違うであろうし、またその人の努力次第で収穫の程度も変わってくるということだ。数多くの利点があるのと同じように、やはり考慮すべきマイナス面も海外留学にはあると言えるのかもしれない。

 ただそんな中でも私が思うのは、本制度がある意味で非常に浦高らしいプログラムであるという点である。つまり、「あなたのためにすばらしい教育環境は用意する。しかしそれを利用するもしないもあとは生徒のあなた次第」とでも言うべき、生徒1人1人の自主性を重視した姿勢。数多くある学校行事や熱心な教師を見てもわかるように、浦和高校という学校はこうした理念を一貫して持っているように私には思われる。

 だからこそ、海外留学に少しでも興味があり、また今後様々な経験をして自分を高めたいと考えている中学生諸君には、ぜひ浦和高校進学を検討してもらえたらと思う。この留学プログラムはそんな期待に十分に応えうる、充実した内容を誇っているのだから。


2005年7月
ホイットギフト校正門前で

1,2期生 三浦君 レポート

ホイットギフト長期交換留学生 三浦 徹

計5年間のイギリス留学を終えるにあたっての総括として大学生活を中心に振り返ってみたいと思います。これから留学を考えている浦高生の参考になることができれば幸いです。

5年間の略歴

2001年9月               Whitgift School 入学
                  A-level: Mathematics, History, Geography and Biology

2003年7月               同校 卒業

2003年9月    The London School of Economics and Political Science
             (ロンドン大学経済学部) 入学
                            BSc International Relations

2006年7月               同校 卒業


1.大学生活について
私が卒業したThe London School of Economics and PoliticalScienceはその名の通り、経済学と政治学に特化しており、世界でもトップレベルの評価を受けています。ロンドン市内という魅力もあり、学生の過半数を留学生が占めているためとても国際的な雰囲気を持っています。

 専攻した国際関係学の授業は大人数で受けるレクチャーと10人前後で行うクラスがセットになっており、クラスではプレゼンテーションやディスカッションが行われるので、積極性が養われます。最初は緊張したものですが、今では自分の考えを発表することに随分と慣れ自信もつきました。また、2週間に1枚(1500words)のペースでエッセイ(論文)を書かされるので、少なくとも5,6冊の参考文献から効率よくノートをとる技術が必要とされます。試験は年に一度おこなわれ、3時間で4つのエッセイを書くというものですが、慣れれば誰でもある程度の点数はとれるものだと思います。「中国の外交政策における一党政治体制の影響」や「資本主義経済下での環境保護の見通し」といった特定の問題について、読み、ノートをとり、書く、という3ステップをこなしていきます。単に本を読むだけと比べて、エッセイを書くことによって理解を深めることができました。

 クラスやエッセイの準備をしながらも自由時間は十分にとれます。興味からスペイン語を習ったり、日本人会の会長を務めて文化交流のイベントを開いたりもしました。また、ロンドンという立地条件のおかげで、美術館や映画館での鑑賞に加えて、コンサートやバレエなども何度か観にいきました。英国ロイヤル・バレエを初めて観たときの感動は今でも覚えています。長期休暇中にはイギリス国内のみならず、スペイン、ドイツ、フランスといったヨーロッパ旅行にも気軽にいくことができ、これもまたヨーロッパという土地柄の強みと言うことができるでしょう。

2.就職について
留学を考える者にとってその先の就職の問題は切実でしょう。しかし、成せば成るもの。私自身、WhitgiftSchoolへの留学、またLondon School ofEconomicsへの進学を決めたときに、就職に対する多少の不安はありました。それでも、高校留学の際には、例え留学が1年間だけで終わり浪人扱いとして日本の大学を受験することになろうとも、その1年間にそれだけの価値があると考え挑戦することにしました。大学進学の際には、英語力と海外生活で養った適応力を評価してくれる企業は必ずあるはず、と信じていました。結果として言えるのは、アンテナを高くはって情報収集をすれば必ずチャンスは巡ってくるということです。友人のネットワークやインターネットをうまく使い、留学生を積極的に採用している企業をつきとめ、インターンシップやキャリアフォーラムの機会を活かして積極的にアピールしていきました。日本の大学に比べると待っていても入ってくる情報の量は極端に少ないです。しかしながら、自分から捜し求めていく姿勢さえあれば、留学はハンデではなく、アドバンテージになるものです

3.留学のススメ
世界は広いと実感できることが一番の留学の利点です。テレビやインターネットを通して世界中の情報が瞬時に得られる昨今ではありますが、それを肌で実感できることが魅力です。実感するとは、スーパーに並ぶ見慣れない野菜に興味を示すことであり、スペイン語とフランス語の違いに耳で気づくことであり、イラク戦争反対のデモ隊の勢いに圧倒されることであると思います。物事の多様性を理解する頭を養い、また、享受する心を育てることだと思います。

 世界の広さを実感してそれが何になるのか、と問われる方もいらっしゃるでしょう。トルコのケバブレストランを訪れずとも、イスラム教徒が豚肉を食べないことは本に書いてありますので、知識の面での差はあまりないかもしれません。それよりも、世界の広さを実感できたこと自体に留学の価値があると思います。その一つは異文化に触れ合うこと自体が刺激的であったという瞬間的な価値です。海外生活の楽しさ、と言い換えることもできます。400年の伝統を重んじるWhitgiftSchoolでは感動の連続でした。留学をした最初の始業式で聞いたパイプオルガンの深い音色や、上級生の卒業式で初めてまとった、プリーフェクトのみに与えられるガウンの重さは今でも鮮明に思い出すことができます。

  別の見方をすると、異文化との交流に楽しみを見出せない人は留学に向かないのではないかと思います。慣れない土地で慣れない言語を話しながら生きていくというのは、決して楽なものではありません。引き合いに出すのも恐れ多いのですが、夏目漱石も神経症に苦しみ帰国したという話もあります。時代と環境の違いこそあれ、その辛さに見合うだけの楽しみを見出せなければやり遂げられないのではないでしょうか。私にとって高校・大学ともに勉強は苦ではありませんでした。むしろ楽しかったようです。英語で勉強をする際の吸収率の悪さから、「日本語で同じことを学べたら」と何度も悔やんだりしましたが、やはり英語で勉強をすることは楽しかったように思えます。英語は簡潔で論理的な表現を使うので、読むときも書くときも自分の思考回路が鮮明になったような気がしていました。それでもやはり、もっと勉強に対して努力できたな、もっと課外活動に参加するべきだったな、という後悔はあります。この種の後悔はきっと多かれ少なかれ誰にでもあるものだとは思いますが、それでもやはり、もう大学生には戻れないと思うと、もう少し勉強しておきたかったという後悔の念は拭えません。
 さらに、留学の価値としてより重要なのが、これからの何十年という人生を見据えたときに新たな価値観の尺度が加わったという永続的なものです。長期的にどのように生きたいかというビジョンがみえたという意味で、してみたい仕事が増えた、訪れてみたい国が増えた、働いてみたい国が増えた、と言い換えることも出来ます。大学を出て、教育というものに一つの形式的な終止符を打つと、勉強以外の目標が必要になってくると思います。そのときに世界の広さを知っているということは、より欲張りな目標が立てられるということにならないでしょうか。

 グローバル化が進み、物事を日本の尺度だけでは測れない時代に突入しました。それは、セブンイレブンやユニクロの海外進出に表れていますし、北朝鮮問題などへの近隣諸国との取り組みにも見て取れます。日本という国が経済的にも政治的にもこの21世紀の世界をのり切るためには、海外との協力が不可欠になったということです。「青年よ大志を抱け」、とはあまりに使い古された言葉なので目新しさには欠けますが、若者の魅力と夢の大きさは常に正比例することを考慮すると、おおかた真理をついた言葉だと言えるでしょう。ひとつに、大志を持った魅力的な若者であれ、という想いと共に、日本という枠組みにとらわれず、世界という大舞台での大志を抱いた若者が増えれば日本はもっと良くなるのではないかという希望もこめて、「世界を見よ」、と形ばかりではありますが先輩のふりをして皆さんへの結びのメッセージとさせていただきます。