19期生 竹村君 英国からのたより

19期生 竹村君 英国からのたより

英国からの便り1月号

  皆さんお久しぶりです、ウィットギフト長期留学中の竹村直敏です。相変わらず縮こまるような寒さで参ってしまいます。こちらではIB一年目の後半戦が始まり、これからはもっと果敢に挑戦していこうと意気込んでいるところですが、皆さんはいかがお過ごしですか。3年生はいよいよ勝負の時が近づいていますね。1,2年生も進級に向けて今は大事な時期だと思います。今しかできないことを全力でできるように心がけたいですね。

さて、実は新しい学期に入ってからは特に目立ったイベントはなくなかなかネタが見つからなかったのですが、ウィットギフトでの生活にも余裕が出てきて視野が広くなった今、改めて感じた浦高との違いや外部から見た浦高のイメージなどを書いていこうと思います。

 

 

 まずは学業面においてです。最大の違いは学校の枠を超えた学びへの意欲だと思います。こちらでは学校を超えて自分の興味関心を満たすための行動をとることが強く奨励されており、生徒たちは外部講師の授業や一般公開されているレクチャーを聞きにいったり、興味ある分野に関する動画を見たり本を読んだりなどカリキュラムを超えて学んでいます。つまり、学校を超えて、自分の好奇心を満たすという自主的な学習が大きく要求されています。浦高にいた頃の自分はあまりできていなかったので少し手こずっています。浦高では麗和セミナーがこれに似たような役割を果たしていると思いますが、正直なところ三兎を追うのに忙しい浦高生は少し学校を超えた活動には手を伸ばしにくいのではないでしょうか。(僕が知らなかっただけでやっている人もいると思います。その人はすごいです。)確かに、これを可能にしている要因の一つにはウィットギフトの部活の拘束力の弱さや、浦高に比べてそこまで切羽詰まっていないという状況もあるのではないかと思います。

 次に、特定の科目の話になってしまいますが、浦高とウィットギフトの化学の授業の違いについて話そうと思います。まず、実験の数がとても多いです。頻度としては浦高の物理実験よりも多いのではないでしょうか。実際、前学期の後半では週に一回化学の実験とそのレポート提出がありました。レポートも割としっかりしたもので、1回の実験につき10ページ程度のレポートを書かなければいけません。さらに、教え方も少し違うような気がします。こちらではどういう現象が起こるかではなく、どうしてその現象が起こるのかに焦点を当てており、そのため、テストでも現象のメカニズムを説明させる問題が多く出ます。今までやった範囲の中で特に色濃く違いを感じたのは無機化学の分野でした。浦高にいたころは反応式や沈殿、溶液の色などを頑張って暗記していた記憶がありますが、(僕の勉強の仕方が間違っていた?)こちらではなぜその反応になるのか、なぜその色になるのかなど、仕組みについて学びました。あやふやだった論理が自分の中でしっかりしたものになって、個人的にはとても楽しめています。ただ、このような違いも、前回触れたように、IBと日本の大学の求めているものが違うからだと思います。

 

 部活動は浦高ほど盛んではありません。体育祭や文化祭などの行事もないので、人とのつながりは浦高にいた時の方が強かったと感じています。また、これは浦高に限らず日本のような集団主義的価値観と西洋の個人主義的価値観の違いでもあるとは思いますが、浦高の方が結束力があって逆にウィットギフトは個人個人という感じはします。もちろん放課後に残ってみんなで勉強!という風習もありません。そもそも「クラス」という概念が薄いな~と感じています。なんとかしてもう少しみんなとの絆を深めたいところですね。

しかし、先生と生徒の関係はウィットギフトの方が強いかもしれません。進路指導など、浦高では1人の担任が40人のクラス全員を見るのに対し、ウィットギフトでは各教科担当の先生と1対1で面談することもあります。授業クラスの単位も10人前後と小さいので生徒一人一人によく目が行き届くのではないでしょうか。担任の先生のみが生徒の成績、進路について大きく関与するのと、教科ごとに担当の先生と成績、進路の相談をするのは大きな違いだと思います。

 改めて知った浦高の良さはやはり生徒同士のつながりの強さだと思います。忙しすぎるせいで生じるデメリットもありますが、それだけ密度の濃い時間をずっと一緒に過ごしているだけあってとても絆が強いと思います。大事にしてください。また、浦高は「公立の星」、「(格差のない社会の)最後の砦」なので、皆さんぜひその伝統をなくさぬよう頑張ってください。

 

 最後に、この場をお借りして3年生のみんなにエールを送らせてください。(そのために頑張って1月中に間に合わせました!)72期生のみなさん。残すところあと少しなので、さすがの浦高生も少しはピリピリしているのではないのでしょうか。本番も緊張するかもしれませんが、72期のみんななら大丈夫です。どんな形であれ、今までの辛い時間を耐え忍び乗り越えてきたみんなはもう十分にすごいし、誇りに思います。そんなすごいみんななら絶対にうまくいくと信じています。本番、自分の実力を思う存分発揮できるようにあと少し頑張ってください。イギリスにいても、心の底から応援しています。

 

夜のロンドン テムズ川沿い

英国からの便り12月号

 こんにちは。もう12月になってしまいましたね。ウイットギフトでは1学期が終わろうとしており、校内のあちこちにクリスマスツリーが飾られてすっかりクリスマスムードです。浦高でも2学期が終わろうとしているところだと思います。早い月日に置いて行かれないように一日一日意義を持って生きたいと思います。

 さて、前回少し先走って英文学の授業について書いてしまったので、今回はそれらの科目の大枠、こちらでの教育課程であるIBについてと、11月末に参加したポーランド交換留学のことについて伝えていきたいと思います。

 

  ウイットギフト校にはLower 1st formからUpper 6th formまでの8学年あり、浦高から長期留学する場合はLower 6th formに編入されます。Lower 6th formerはそれぞれA Level, IB, B-techの3つのカリキュラムの中から1つ選びます。A Levelは自分が学びたい教科を4つ選んでそれを中心に学ぶ感じで、B-techはスポーツが主です。浦高から長期留学する場合はIBをとることになると思うので、IBについて詳しく説明します。IBとはInternational Baccalaureateの略で、国際的な教育を提供し、全人教育を目指す課程です。IBは6つの科目;文学、言語(外国語)、人文学、科学、数学、芸術(もしくは科学、人文学、言語からもう一つ)から成り立っており、3科目をhigher level, 残りの3科目をstandard levelで取ります。ちなみに僕はhigherが数学、化学、生物で、standardが経済、英文学、スペイン語です。一教科7点満点とTOK(Theory of Knowledge), EE(Extended Essay)を合わせた3点満点の合計で、45点満点の成績です。最終試験は二年目(Upper 6th)の5月に行われ、その準備として一年目の4月末に模擬試験を受けます。その模擬試験の結果をもとに大学の志望を決めるので、「模擬」といえどもとても重要です。これを聞くと一年に一回しかテストがないから楽そうに聞こえるかもしれませんが、そんなことはなく、ちゃんと(?)科目ごと、各単元の終わりにテストがあります。浦高でいう数学の章末テストのようなものかと思います。加えて、IBには言語を除く各教科でInternational Assessment(IA, 別名コースワーク)という論文を書く課題があります。各先生によってその扱いは多少異なりますが、IAの練習としてたくさん書かせる先生もいれば、練習は1回だけさせてその後はあまり課さない先生もいます。僕の化学の先生はめちゃくちゃIAを書かせる人だったのでとても苦労しました。そのおかげで本番はだいぶ楽になると思うのでいいのですが。また、IBにはCAS(Creativity, Activity, Service)という学術面を超えた慈善、芸術などの幅広い活動プログラムもあります。これについては後で詳しく触れます。まとめると、IBの生徒はA Levelの生徒に比べるととてつもなく忙しいです。でも浦高で鍛え上げられた皆さんなら大丈夫だと思います。果敢に挑戦してください。

 

 続いてポーランド交換留学のことについて話したいと思います。ウイットギフトのIB交換留学プログラムとして11月29日から12月2日までの4日間ポーランドに行ってきました。ポーランドはヨーロッパにあるので英語圏かと思いきや、まだまだ全然英語は普及しておらず、大人よりも高校生などの若い人の方が英語を喋れるという感じでした。街中の標識なども英語で表記されているものはほとんどなく、英語圏でないという点では日本に似ていると感じました。それにしてもとにかく寒かったです。イギリスとは比べ物になりません。4日間で、ポーランド観光をしたりクリスマスマーケットを訪れるなどいろいろな体験をしましたが、一番印象に残っているのは第二次世界大戦博物館(Museum of the Second World War)を訪れたことです。個人的に、他国の歴史観を学ぶことはその国の価値観や考え方を学ぶことにつながると思うのでとても意義があると思っています。さて、肝心の第二次世界大戦博物館ですが、大戦以前のドイツ、ソ連とのいざこざと共にポーランド近隣での戦いについての展示物が多くあり、当時から残る事物や悲惨な光景がそのまま写されている貴重な博物館でした。ポーランドは歴史を通してドイツとロシアに領土を奪われ続け、独立するまでにとても努力を要した国だということを学びました。そしてその数々の戦いにも関わらず、ポーランドの人々はドイツやロシアと敵対しているというわけではなく、むしろ協力しようという姿勢が見られました。一際興味を引いたのがその博物館にあった第二次世界大戦中の日本の描写です。日本が「アジアの平和を脅かす存在だった」説明されるのはやはり心が痛みます。戦争は1回起こってしまうと戦争をやめるために人殺しをしなければならないという状況になってしまうので、絶対に戦争だけは起こしてはならないと思いました。日本を取り巻く海外情勢も変わってきて、近隣諸国との問題も出てきていますが絶対に感情に任せて間違った判断をしてはいけないと思いました。

 

 またまたページの関係で載せたい写真を全部は載せることができませんでした。受験生の皆さん、これから寒い冬休みがやってきます。辛くてくじけそうになることもあると思いますが、みんなにはともに頑張る心強い仲間がいます。互いに支えあって乗り越えてください。必ずやりきりましょう。一緒に頑張りましょう。

英国からの便り11月号

 皆さんこんにちは、Whitgift校留学中の竹村直敏です。こちらに来てから早くも2か月が過ぎようとしています。Whitgift校ではちょうど1学期目の半分が終わり、今はhalf term中(中休み、1~2週間ほど学校が休み!)で、ガーディアン(法的な保護者・長期留学するなら必ず必要)の家で過ごしています。イギリスでの生活にもだいぶ慣れて軌道に乗ってきたかな~という所です。ほとんど毎日雨が降っていて、日差しが恋しくなります。

 さて、今回は永遠に僕たち日本人を苦しめるであろうWhitgiftの英文学の授業とhalf term中に参加したBrexit抗議デモのことについて伝えようと思います。

 

 英文学は立場的に言えば日本の国語に当たる科目ですが、学ぶ内容は大きく異なります。こちらでは小説を読み、その内容についてクラスで議論していくような感じです。さらに、読む小説の内容がなかなか過激で、教師という立場を利用し女子生徒にわいせつな行為を試みてその先生が訴えられる話や(実際は女子生徒が大げさに取り上げただけですが…現代の日本に当てはまる問題ですよね)、今課題として読んでいる小説は誘拐・監禁事件の話で気が滅入ってしまいます。このような社会的な問題を描いた本を読むのには理由があり、生徒たちがその問題について考え、議論するためです。さらに詩の評論を書く練習もしています。慣れていないうえに詩の内容がよくわからないのでとてもとても大変で、いい点数を取るためにはまだまだ練習が必要です。授業進度はもちろんネイティブと同じなので、苦労します。このようにあらゆる面で骨が折れる英文学の授業ですが、この日本とイギリスの「国語」の違いの源はテストで求められることの違いにあると思います。日本では初見の文章を読み、与えられた問題に対して答えるので高い情報処理能力が求められますが、IB(今自分がやっているコース)のテストではエッセイを書くため論じる力が求められます。また口答試験もあり、そこでも本の内容について議論することが求められます(本は授業でやった中から選べます)。このような違いから授業に大きな差が生まれるのではないでしょうか。元をたどると、IBと国としての日本が求める人物像の違いに行き着くかもしれません。

 

 続いてBrexit抗議デモについてです。デモ行進に参加したのはこれが初めてだったので残念ながら日本のデモとは比べられませんが、テレビでデモの様子を見るのと実際に行ってみるのとでは大きく違いました。デモ行進は、ボリス・ジョンソン首相が新たにEUと合意した離脱協定案の採決が採られる10月19日に、EU離脱反対派の人々が再投票を求めるために行われました。

最後のチャンスだからでしょうか、規模がとても大きく驚きました。数万人の人々がロンドンに集まったと言われ、行進ルートは全面車両通行止めでした。さらに、世代もバラバラで、高齢者もいれば、20~30代の若い世代、さらには家族連れで小さい子もデモに参加していました。これは国民の政治への関心の高さの表れだと見てとれます。鳴り物を持参して音を立てたり、“What do we want?” “People’s vote!” “When do we want it?” “Now!!” と掛け声をかけていたりしていました。ただ、デモ行進といってもみな怒りに満ち溢れ暴力沙汰になるというわけではなく、実際は無理だとわかっているような感じですらありました。一緒に行ったガーディアンに話を聞いたところ、デモ自体があまり意味をなさなくても自分たちの意見を表すことが大事だ、と言っていました。そうは言っても、人々の叫び声の奥底にはやはり必死な思いが込められているように僕には聞こえました。

 

 最後に、全く関係ありませんがhalf term中にガーディアンに連れて行ってもらったウェールズの写真を載せて締めくくりたいと思います。

   

ウェールズの大自然

 

 本当は洞窟探検の画像も載せたかったのですが、ページの都合上入りませんでした。古河マラ頑張ってください。最後まで読んでいただきありがとうございました!

英国からの便り10月号

 皆さんこんにちは、9月からイギリスのWhitgift校に留学させていただいている36Rの竹村直敏です。高校生にして英国への留学というとても貴重な経験をさせていただいているので、このチャンスを最大限に活かしていこうと思います!この便りを通してみなさんにこれから1年間イギリスでの生活の様子を伝えていきます。こちらはもうすでに朝晩は吐く息が白くなるほど寒いです。この1か月間は宿題に追われ大変な日々を過ごしましたが、時間はとてもゆっくりと流れているように感じます。

  さて、今回は初回なのでWhitgift校での日常生活と今までの感想を少し書こうと思います。

まずは一日の流れです。朝は7時20分に学校の食堂が開くのでそれに合わせて起床し、スーツに着替えてから(僕たち6th form,高校2,3年生に当たる学年はスーツが制服です)朝食を食べに行きます。その後は一回寮に戻り、8時25分からある出欠確認をしにForm Room(出欠をとるHRみたいなもの)に行きます。朝は集会があったりForm Roomで哲学的なビデオを見たりする日もありますが、何もなくただ教室にいて1限開始の8時55分まで待つ日もあります。ちなみに授業は全員全部移動教室なので、教室を移動するときは廊下がとても混みあいます。また、6th formの生徒は時間割が一人一人違います。1コマ45分授業で、1限と2限の間の休み時間はありません。クラスの人が大体そろったら始まる、という感じです。2限が終わったら20分間の中休みがあります。詳しくは表を作ったので見てください。

8:55-9:40 period1
9:40-10:25 period2
10:25-10:45 morning break
10:45-11:30 period3
11:30-12:15   period4
12:15-13:00 period5
13:00-14:00 lunchtime
14:15-15:00 period6
15:00-15:45 period7

そんな感じで学校は15時45分に終わり、部活動がなければ寮に戻ります。寮生活は結構決められていることも多く、17時45分~18時30分までHomework time,6時30分から夕食、19時15分~20時までまたHomework timeで、消灯時間は22時30分です。学校のある5日間はだいたいこんな感じの日程です。

土日はみんなとてもゆっくり過ごします。まず、運動部で土曜日に試合がある人以外(ほとんどの寮生)は9時くらいに起きます。土日は朝食の代わりに10時30分から朝昼兼用のブランチを食べます。日本にはなじみのない文化なので正直お腹が空きます。日曜日は寮でtripを計画してロンドンの方まで行くこともありますが、有志です。行かなかった人はゆっくりしたり近くのスーパーに行ったりしています。

  続いて少しだけイギリスでの学業の話をします。まず一番強く感じたのはWhitgift校ではとてもIT化が進んでいるということです。Whitgift校には独自のオンラインシステムがあり、生徒全員に与えられたアカウントにイベントの情報や宿題が日々メールで送られてきます。また、ほとんどの授業がプロジェクターを使って進められます。冒頭でも触れましたが、宿題がたくさん出て、さらにresearch homework(調べてミニエッセイを書く宿題)が結構出るので携帯やパソコンが一種の必需品のように感じます。初めの頃は宿題にとても苦労しましたが今は少しだけ慣れてきたかなと思います。世界共通と思われている科学分野での定義も少し違うところがありますし、問題に対する答え方も日本と大きく違うように感じます。英語の面でも苦労していて、先生によっては授業が聞き取れないこともあり、自分の英語が通じない時もあります。全体的にもっと努力が必要だと感じる日々でした。

 浦高では文化祭が大盛況だったと聞き嬉しいです。最後の大会が迫っている部活もあると思います。今までの自分の努力を信じて頑張ってください。
 表面的なことしか伝えられませんでしたが、次回はもう少し踏み込んだ内容を、また写真等をのせて彩りある英国からの便りにしたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました!

 Whitgift校の校門

校舎

上の写真の時計の正面図