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日本地理学会 2026年春季学術大会 高校生ポスターセッション発表

 2026年3月27日(金)に東京都千代田区の法政大学市ケ谷キャンパスで開催された、日本地理学会 2026年春季学術大会高校生ポスターセッションに、本校2年生(新3年生)の西部 俊 君、石原 大暉 君の2名が参加し、ポスター発表を行いました。

 西部君と石原君は、『総合的な探究の時間』で本校2年次において取り組んでいるゼミ形式の探究活動「アドヴァイザリーグループ(アドグル)」で、様々なデータを収集し地理情報システム(GIS)を利用して地域分析を行う講座に所属しています。この活動では、教員はティーチングを行うのではなくアドバイザーとなって生徒に助言を与え、生徒の主体的な探究活動に伴走します。

 自らが持った問題意識からスタートし、助言を受けながら1年間取り組んできた探究活動の成果を学術的にポスターにまとめ、他校の生徒・教員だけでなく、専門の研究者の前で発表しました。

 西部君と石原君の研究発表の要旨と、発表時の様子は以下の通りです。

104.2つの政令指定都市を比較して考える現在のバス交通網と今後の課題-埼玉県さいたま市と神奈川県川崎市を事例に (西部 俊)

 本研究の目的は、今日の公共交通機関、特に一般路線バスについて事業の状況を把握した上で、その課題を明らかにすることである。フィールドは規模の近い埼玉県さいたま市と神奈川県川崎市を選定し、両市の比較を行った。一般路線バス停留所の位置や数については国土数値情報や両市のホームページから情報を入手し、国勢調査のデータも活用した。両市とも停留所の総数はほぼ同じであり、停留所から半径500mの範囲に含まれるエリアは市の面積の7割程度をカバーするものになっている。また、鉄道駅や一般路線バス停留所から離れた「交通空白地帯」となり得る地域においては、コミュニティバスの運行が行われている。今後の生産年齢人口の減少を考慮すると、バス便数の減少と「交通弱者」の増加に伴うバス需要の増大が予想される。コミュニティバスやシェアライドの充実、技術革新による自動運転技術の推進などが解決策として求められると考えられる。

105.公衆トイレの分布と質からみる政令指定都市内の地域差と周辺の土地利用-埼玉県さいたま市を事例に (石原 大暉)

 本研究の目的は、公衆トイレの設置状況から地域ごとの特徴を捉えることである。非競合性と非排除性とを持つ公共財である公衆トイレに関する地理学的な研究は蓄積が少なく、意義は大きいと思われる。フィールドは、ある程度の人口規模を持ち、公衆トイレの設置状況に地域差が見られる可能性が高いと思われる埼玉県さいたま市とし、市内に設置されている400余りの公衆トイレについて、行政区ごとに標本を抽出し調査を行った。それぞれの公衆トイレの持つ特徴を5つの視点から評価し、行政区ごとにそれらの比較を行った。また、昼間人口あたりの公衆トイレ設置数、公衆トイレ周辺の土地利用の状況ついても比較した。結果として、いくつかの行政区ではこれらの特徴について有意差が確認された。そのような地域においては周辺の土地利用にも相違が見られた。以上より、公衆トイレの設置のあり方については、土地利用から最適な設計ができるのではないかと考えられる。