「総合的な探究の時間」紹介 第7回

浦和高校定時制課程の総探の取組をシリーズで紹介しています。

今回は、講座G「オリジナル辞書を作ろう」についてです。本講座では、まず1学期に、講座担当の先生による(入門レベルの)言語学講義を受講し、ことばを研究対象として見るスタンスを獲得します。その後2学期からオリジナル辞書の作成に取り掛かります。生徒一人一人が自身の興味・関心に基づき、例えば「ファッション」「クラシック音楽」「旅行」などジャンルを定め、そのジャンルに秀でた国や地域の言語に焦点を合わせて関連語彙を収集し、和訳辞書を作成していきます。フランス語のファッション用語辞典、ドイツ語の音楽用語辞典、スペイン語の旅行会話辞典など、楽しく創意工夫を凝らし、実用性も高い作品が創作されます。

1学期8回目となる今回は「形態素」というトピックで講義が行われました。意味の最小単位として形態素という概念が示された後、さらに語彙的形態素と文法的形態素への下位分類に話は進みました。一定の基礎学力を前提とした内容でしたが、枝葉を巧みに整理した講座担当の先生のレクチャーによって、生徒はきちんと消化しながら、次回までのアサインメントに取り組んでいました。

今年度登録した生徒は、「ことば」が持つ力、抽象的概念や複雑な事象を整理・体系化し、他者との共有を可能にする力に関心を持ち、探究してみたいと思ったと話してくれました。