校長講話(定時制)

定時制 一学期始業式 校長講話

【令和2年度 1学期始業式 校長講話】

 新型コロナウイルス・パンデミックという、人類が過去100年に直面したことのない緊急事態に見舞われたことにより、令和になって最初の新年度が昨日まで臨時休業となり、実質今日からの始業となりました。ただし、皆さんもご存知のとおり事態は収束に向かいつつあるというだけで、完全に収束したわけではありません。

「生物と無生物のあいだ」などの著書でも知られる生物学者の福岡伸一氏は、新聞に次のようなことを寄稿されています。

○  ウイルスは一方的に襲撃してくるのではない。ウイルスは宿主の細胞内に感染するわけだが、それは宿主側が極めて積極的に、ウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果である。

○  そもそも、ウイルスは高等生物の遺伝子の一部が外部に飛び出したものとして、はじめて現れた。そしておそらくウイルスこそが進化を加速してくれるため、遺伝情報の水平移動のツールとして進化のプロセスで温存されてきた。

○  つまり、ウイルスは私たち生命の不可避的な一部であるがゆえに、それを根絶したり、撲滅したりすることはできない。私たちはこれまでもこれからもウイルスを受け入れ、共存し共生していくしかない。

私たちは、新型コロナウイルスウイルスとも共生していけるよう、うまく付き合っていかなければならないのです。

そのためにも、皆さんには臨時休業中の経験も踏まえて、周りにあまり依存することなく、自分でやろう、やれるようになろうという意識を持って、これからの新しい生活様式を実践してみてほしいと思います。

例えば、日々の学習もこれまで当たり前だと思っていた学校での授業が、実は当たり前ではなかったことが明らかになりました。外出自粛の中では、自分だけで何とか勉強しなければならなかったはずです。このような事態はこれからも起こり得ます。学習も言われたことを仕方なくやるのではなく、自分でやり方をマスターして好奇心を持って実践できなければなりません。感染症への予防についても、家庭や学校がいくら気を付けても一人一人が感染対策への意識と正しい認識を持っていなければ、感染リスクを回避することも拡大を防止することもできません。

感染症対策の徹底について、今一度ここで確認しておきます。基本的な感染予防対策のポイントは3つです。1つ目は、「3つの密」を避け、身体的距離を確保すること。2つ目がマスクの着用。そして3つ目が手洗いです。その他、日常の健康チェックにより、熱や風邪の症状があるときは自宅で療養することも皆さんならおわかりだと思います。

これからは学習も感染予防も、皆さん一人一人がやるべきことを認識して実践できなければなりません。ぜひ、そのことにチャレンジして、今回の経験を皆さんの将来にプラスへと変えてもらえることを願っています。

令和2年6月1日 

埼玉県立浦和高等学校長 水石明彦