校長講話(定時制)

三学期始業式

 あけまして、おめでとうございます。

 令和四年を迎えました。今年が皆さんにとって素晴らしい年になることを心から願っています。

 

 残念ながら、ここにきてまた新型コロナウイルスへの感染者数が急増しています。オミクロン株に入れ替わりつつあるとの見方が有力です。長期戦となり、少しずつ緩んできてしまいがちな感染防止への意識を、ここでもう一度各自がしっかり確認する必要があります。マスク、手洗い、うがい、換気といった基本的な対策を、しっかり継続することをこの三学期の始めに確認しておきましょう。

 

 さて、この「基本的なことを継続する」ということ。このことは、様々なことで、様々な場面で、力をつけていくうえで、あるいは力を維持するうえで、ものすごく大切なことです。

 この年末、NHK-BSで放送された「BS1スペシャル」。「陸上短距離革命 ~イタリア金メダルの秘密を探る~」という番組を偶然見ました。

 昨年の東京オリンピックの陸上競技、男子100mと男子4×100mリレーで金メダルを獲得したイタリア代表チームへの取材番組です。このイタリア陸上界のたいへんな快挙の秘密に迫ろうというものでした。

 リレーチームは、コーチが日本のリレーチームを目標にバトンパスに磨きをかけるという戦略を立てて、「プッシュプレスパス」という方法を採用したそうです。そして、それから日々バトンパスの基礎練習を繰り返し、精度を上げていきます。当時の映像を見た日本チームのコーチによると、それは中学生がやるような練習だそうです。でもそれは悪い意味ではなく、一番最初にやるような基礎的なことを、すごく大切にしているということがわかる。レベルが上がると普通疎かにしがちな練習だが、それをオリンピックレベルにある選手たちがやらされているというのではなく、心から大切だと思ってやっているというのです。

 そして、迎えたオリンピックで見事に金メダル獲得するわけです。もちろん、メダル獲得の要因はほかにもたくさんあるでしょう。でも、金メダルを取るチームが、日本に来てからもひたすら基礎練習を繰り返していたなんて、凄いと思いませんか。

 

 多くの大人は、感覚的に初級レベルのことをやり続けることには抵抗を感じるし、やらなくなってしまうと思います。でも、もしもそれが自分に、あるいは自分たちに必要なことであるならば、やり続けることが大切です。基本を疎かにしては絶対にいけないし、基礎を磨くことが後に自分の力となって必ず帰ってくるということだと思います。

 基礎がないところには応用もありません。基礎をおさえておかないと、間違った方向に進んでしまうことになりかねません。

 

 ちなみに、私は自分を磨くというより現状を維持するためではありますが、乗り物やエレベーターといった便利な道具は極力利用せず、一日1万歩を目安に歩くことを心がけています。過ぎたるは及ばざるが如しではありますが、ここ数年続けていますし、これからも続けるつもりです。

 最近の論文によると、ヒトという種の身体は、日常的に身体活動を必要とするように進化しているため、持久力を要する運動は心血管疾患の重大要因である慢性炎症を抑える効果があるそうです。また、定期的な運動には免疫系の機能を改善して感染を防ぐ効果があり、この効果は年齢とともに高まるといいます。そして、座るのではなく立つといった軽い活動を行うだけで、筋肉は循環血液から脂肪を除去するのを助ける酵素を算出するのだそうです。また、別の研究では、1日の歩数が1万5000歩の人や1日あたり7時間を立って過ごす人は、心血管系が最も健康で代謝疾患にかかっていなかったという研究データもあるのだそうです。

  というわけで、そんな初歩的なことも含めて、基本を大事にし、基本を継続することを浦定生のうちに実践して欲しいと思っています。それが、必ずや卒業後の力になります。

 

 今年度も残り三か月です。卒業に向けて、また次年度を見据えた取組み等、皆さんにとって大変重要な時期になります。まずは感染防止を含めた健康管理です。そして、焦らず慌てず、自分を信じて、持てる力を存分に発揮してもらいたい。

 充実した三学期を送ってもらえることを願っています。