2020年6月の記事一覧
令和2年度入学式式辞
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。令和となって最初の浦高入学生である皆さんは、新制高校となって第75回の浦高生です。当初の予定から2か月遅れとなってしまいましたが、浦高教職員を代表して、心より歓迎するとともにお祝いを申し上げます。
本校は明治28年、埼玉県第一尋常中学校として浦和の鹿島台の地に開設され、明治から大正、昭和、平成、そして令和と、125年の歴史を刻む県内屈指の伝統ある進学校です。これまで3万人を超える卒業生を世に送り出し、旧制中学校以来の校訓である「尚文昌武」、文を尚び武を昌んにす、を教育理念に掲げ、これからの時代の求めるリーダーを育てる教育を行ってきています。
さて、今世界は気候変動など地球自然環境の急激な変化、少子高齢化や地方の過疎化、生産年齢人口の減少などの社会課題への対応、AIやIoT、ビッグデータといった新たな価値の創造など、これから先がどんな時代なのかが見えない、劇的な変化の只中にあるといっても過言ではありません。
そこに、今回の新型コロナウイルス・パンデミックという過去100年に人類が直面したことのない緊急事態がおこりました。「民主主義」や「市場経済」を根底から揺るがす危機とさえ言われるような事態です。したがって、現代を生きる我々は、こうした危機を乗り越えて劇的な変化の中で、新たな世界や社会を構築していかなければなりません。では、その役は誰が引き受けるのか。もちろん、今まさにその任にある大人世代は、その責任を果たすべくベストを尽くしています。でも、新たな世界や社会の構築には、文字通り新しい発想が求められることになるでしょう。だとすれば、未来に向かって新しい時代を切り拓き、新しい時代の価値を創造していく役割は、若い人に担ってもらうしかありません。これから先の時代は、皆さんのような若い人に託されているのです。
この役割が担えるかは、柔軟な頭で新しいものの見方ができるかどうか、秘めたる情熱と豊かな教養を持って、たくましく豊かに成長していくことができるかどうかにかかっています。ですから、皆さんには3年間の浦高生活で、ぜひともその土台を築き上げてもらわなければなりません。
そこで、今日はそのための心得として、「基本」をしっかり身に付けよ、と申し上げたい。
ここでいう「基本」とは、人生を切り拓いていくためのベースとなるものすべてであり、知識とスキルの両方を含みます。広い意味での「教養」あるいは「リベラルアーツ」といってもいいものです。よく言われるように「自分の頭で考える」ことの大切さは、皆さんもよくわかっているでしょう。でも、自分の頭で考えるには、物事を正しく判断すべく、思考を深めていけなければなりません。それを可能にするには、十分な語彙力と幅広い基礎的な知識が必要です。知識や思考力の獲得には、忍耐力や意欲といった目標の達成に関わるスキルがものをいいます。また、ヒトは社会的な生き物ですから、様々な関わりの中で正しく判断し行動する上でも協調性や共感性といった他者との協働に関わるスキルが必要不可欠です。さらに、豊かな心をもって人生を切り拓いていくには、自尊心や自信といった情動の制御に関わるスキルが欠かせません。これらは「非認知的スキル」といわれるものですが、これも身に付けておくべき基本です。
浦高には、皆さんがこれらの「基本」を身に付ける上で、最高の環境が用意されています。浦高での生活すべてを楽しんでもらえさえすれば、高校生として最高レベルの知識はもちろんのこと、非認知的スキルを含む「基本」が身に付く環境、すなわち皆さんを大人へと鍛えあげる環境がここにはあります。ですから、皆さんにはとにかく浦高生活のすべてを思い切り楽しんでもらいたい。
ただし、楽しむコツとして次の2つに留意してほしい。
一つ目。浦高の仲間とともに学び、切磋琢磨すること。高校でも大学でも、学びの環境として大事なのは、「何を学ぶか」よりも「誰と学ぶか」になりつつあります。浦高で出会った仲間たちと遊び、教え合い、議論し、励まし合い、助け合う。その生活こそが、皆さんにとってかけがえのない貴重な学びとなります。
二つ目。この環境を活かすためにも、浦高生活すべてに全力で取り組むこと。勉強・行事・部活動の「三兎を追え」というのも、目先の成果ばかりを追って小さくまとまることなく、何十年も先を見据えてとことんチャレンジせよというメッセージです。もっとやれる、もっと完璧に、という気持ちが大事です。
結びに、新型コロナウイルス・パンデミックの影響で、この入学式が当初予定された日から大幅に遅れ、規模も縮小しての開催となったことは大変残念であり、保護者の皆様にもご参列いただけず申し訳なく思っています。保護者の皆様には、浦高を信頼し、密接な連携を図っていただくとともに、力強いご支援とご協力をいただけますよう、皆さんからも伝えていただければ幸いです。
それでは、皆さんが浦高生活を思い切り楽しみ、たくましい大人へと成長を遂げてくれることを心から願い、式辞といたします。
令和二年六月四日
埼玉県立浦和高等学校長 水石 明彦
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