講義紹介

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演題 「君は、この子にお金を渡しますか」~公的組織・開発途上国勤務から考えること~
あしなが育英会ウガンダ現地代表
講演者 今村嘉宏(高40)
講演日 令和元年6月25日(火)
講演内容

 

 高40回卒で、サッカー部の出身です。高校時代はサッカーばかりやっていて、あわや26年ぶりの全国という決勝戦で大宮東に0-4で負けました。1年生から出場して、関東大会にも出場した経験があります。3年生では国体選手となり、沖縄国体に出場して3位になりました。

 早稲田の教育学部を卒業して、社会人となってからは、JICA-さいたま市役所―あしなが育英会と渡り歩き、主に公的機関で勤務して、発展途上国の支援にかかわる仕事を主にしてきました。社会人になってから、アフリカやアジアの途上国を中心に、41か国・地域に行きました。

 あしなが育英会の現地代表として赴任しているウガンダは、現在の勤務先です。ウガンダは、ビクトリア湖に面した自然豊かな国ですが、街の中は舗装されていない道がほとんどで、自分もそういったところを歩いて勤務先に通っています。

 あしなが育英会は、遺児に対する奨学金を提供するNGOで、すべて寄付金で運営されています。ウガンダ事務所では、アフリカのほぼ全土を対象に各国1名ずつを選抜してウガンダに来て勉強してもらい、世界の各大学に進学させ、ゆくゆくは母国に貢献する人材となってもらう、という人材育成プロジェクトを実行しています。

 さて、そうした支援活動の中で、私が考えたことを話します。

 ウガンダでは、路上でお金を求める子供がいます。(写真を見せながら)

「あなたはこの子にお金を渡しますか?」また「あなたは、こどもにお金をあげましたとします。すると次の交差点で大人がお金を求めていました。あなたはその大人にもお金をあげますか。」

 お金をあげたらきりがないですね。あなたはどこで線を引きますか。

 このことについては、全員に共通する答えというものはありません。私は私なりの答えを準備して、このような日常に対しています。支援の現場では、自分自身がしっかりと考え、自分なりの答えをもたなければなりません。

 支援の現場では、組織の多様性や、自分たちの目的設定についてや、難民支援のパラドクスとか、我々支援者の現地での生活水準をどう設定するかとか、教育支援を受けるために非支援者が割いた時間について金銭的補償をどう考えるかなど、すぐには答えのでない問題にあふれています。こうした問題に囲まれながらも、私たちは、学生たちに「志」をもてと訴え、日々活動を続けています。いずれにしても、どういう思いで支援に向き合っていくのか、自分のなかでしっかり考え、自分自身の答えがないと、こういう現場での支援を行うことが難しいということです。