講義紹介

これまでの麗和セミナー

演題 東京2020パラリンピックの成功に向けて~競争社会から共生社会の実現へ~
日本障がい者スポーツ協会 企画情報部長 
日本パラリンピック委員会 事務局
講演者 染谷浩(高36)
講演日 令和元年10月1日(火)
講演内容

昭和59年卒業 高36回卒の染谷といいます。

まず自己紹介を兼ねて、自分が三菱商社に入ってからJPSAに出向するまでの話をします。私は大学を卒業した後、平成元年4月に三菱商事に入ります。配属された部署は、世界を又にかけるという商社のイメージと違い、主流でないといいますか、あまり華々しくない分野でありました。しかし私は簿記や会計の勉強をしました。その経験が役立ちJPSAに出向するきっかけにもなる広報部に転じることになりました。広報部が企業の社会的貢献を担当する部署がであった関係もあって、今年令和元年4月にJPSA(Japan para sports association)に出向することとなったのです。

 次ぎにパラスポーツとパラリンピックの話をします。パラスポーツのことを考える時に、マザーテレサが残した「愛の反対は憎しみではない。愛の反対は無関心である。」という言葉が身に染みます。障がい者スポーツに対する無関心は、私たちのバリアになってしまっています。それが壁となって、障がい者スポーツというと、「かわいそうな人がやるスポーツ」という先入観をもってしまっています。しかしパラスポーツでは、選ばれた人たちが自分に自信をもっていきいきとスポーツをやっています。決して「かわいそうな人がやるスポーツ」ではありません。一方で見る方の我々の多くがそのことに無関心のままです。ここに大きな壁が存在すると思います。“It is ability and not disability that counts” これはパラスポーツの基本理念です。要は障がいを嘆くのではなく、残された機能を最大限に活用することによって、優れたパフォーマンスを出すことが、パラスポーツの基本理念であるということです。障がい者を障がい者としているのは、足がないから、手がないからということではなく、そこに心と物理的なものにバリアがあるからです。パラリンピックはそのバリアを無くすための絶好の好機なのです。

 JPSAは、2020年東京大会を通じて、大会の成功とパラスポーツの普及拡大、そして共生社会の実現をめざして活動しています。大会にむけて、具体的にめざしていることは、チケットの完売および全競技場満員と、540個の金メダルのうち20個以上を取りに行くということです。またJPSAは、パラリンピックの成功のみならず、各種のパラスポーツ競技会の実施、小中学校を対象にパラスポーツ体験授業などを行っています。

 最後に、「人間至る処青山あり」という言葉を贈ります。人はどこにいっても、どんなに不遇と思う環境になったとしても、覚悟をもって前を向いてほしい、ということです。自分のキャリアもそのようなものでしたし、またパラスポーツに携わっている人たちもきっと同じ思いで前を向いていったことだと思います。みなさんも、今の不遇を嘆く前に、前を向いて、新しい世界を切り開いてほしいと思います。