講義紹介

これまでの麗和セミナー

演題 AIは古い 現代はDXだ ~人生の選択時に考えるべきこと~
株式会社 アイズファクトリー 代表取締役
講演者 大場 智康(高40)
講演日 令和2年1月23日(木)
講演内容

昭和63年(1998年)に浦高を卒業しました。卒業した時はまだ麗和会館ができる前でしたので、今日はじめてこの会館にやってきました。東京工業大学(東工大)の大学院に進学し、そこで物理学を学び、博士課程まで進み博士号を取得しました。そして東京大学の研究所に移り、研究を続けていました。2000年に情報技術分野でアイズファクトリーという会社を設立し、今に至っています。 

 世界は今、すごいことになっています。とくに情報技術分野の進化はすさまじいです。2ビット機のゲーム機が出て私たちが喜んでいたのが40年弱前、そして東工大の研究室にいた頃に当時最高レベルのハードディスクが入りましたが、その記憶容量は、何と2メガバイトでした。これが20年以上前の水準でした。今では、一人一人がギガバイト単位のUSBを持っています。ものすごいスピードで、世界がどんどん変わっていますね。

 このスピードはこれからますます上がっていくと思います。今、私たちは第四の産業革命と言われる時代の途上にいます。この時代、大量・大規模のデータが揃うようになってきました。これらをうまく処理していくのがAIであり、これらをうまく使うためのプラットフォームがDX(デジタルトランスフォーメーション)という訳です。

 コンピュータの処理能力は増え続け、世界中で桁外れのデータが蓄積され続けています。こうしたビッグデータを扱うコンピュータがあれば、できることの可能性が広がることになります。その技術がAIとなります。

 ではDXとは何かを話しましょう。DXとは、AIを駆使し、新しい顧客、ビジネスモデルを実現するプラットフォームのことです。アマゾンやウーバー、近年のペイペイなどが例です。これらの組織は、何かを直接作る、売るということをしていません。これらの企業は作る人、売る人、運搬する人などを支援するプラットフォームです。今このような企業が、新しい時代の社会の仕組みを提供しています。

 DXが中心となる時代は、どのような時代になるのでしょうか。貨幣経済に加え信用経済が必要になり、スマートフォン・電子決済・IoT・AIといったものが活躍して、DX時代がつくられます。中国では、すでにこれらの技術を駆使した最先端の小売事業モデルが展開されています。そこでは現金に代わって、スマートフォンでの電子決済で事足りています。こんな姿を見ていると、これからATMが街角から消えていくということも、そう遠い未来ではないと思えますね。

 みなさんが生きていく時代は、すごいスピードで変化が起こる時代なのです。中国の例の様に、世界は進んでいて、これからの20年間、世界はがらりと変わります。このままでは日本は取り残されていきます。日本はここで何とか頑張っていかなければならない。将来を支えるみなさんにも頑張って欲しいと思っています。

 世界を円盤にたとえるなら、円盤の中心は安全ですが、世界という円盤はどんどん動き続けています。この円盤の中心に居続けるためには努力が必要です。そして今、円盤のエッジに居る人が、未来の中心になる可能性があります。今、円盤の中心に居ることに安住せず、将来も必要とされる人材であり続ける努力をしていって欲しいと思います。

 人生の選択の時に考えること。それは「やりたい事か」「やれる事か」「やるべき事か」の三つを考えて、この三つのバランスをとり最適な判断をするということです。そして、自分のためだけではなく、人や社会のためによりよい未来を考え続ける人材になって欲しいと思います。