講義紹介

これまでの麗和セミナー

演題 キャッシュレス決済って何? ~商品 × AI・IOT・5G × 決済 = 簡単+安全+ビッグデータ~
ビリングシステム株式会社 代表取締役社長
講演者 江田 敏彦(高24)
講演日 令和元年12月3日(火)
講演内容

はじめに日本の人口とGDPの推移に言及しておきます。2010年から減少に転じている日本の人口は、2052年頃には1億人を切り、2100年には5000万人を切ると推定されており、将来的に日本国内だけでは商売にならない、ということが言えます。またGDPにおいても、2018年では世界3位につけている日本ですが、2050年に8位にまで落ち込むと言われている一方、現在2位の中国はいずれは世界1位になると言われています。そこで、私たちは中国という大きなマーケットへの進出が必要になると考えました。

 私は日本の将来を担保するための基盤を3つの柱で考えています。1つ目は「習慣や言語など世界の各国や民族の常識を理解し、コミュニケーションが取れるようにすること」です。2つ目は「国内のマーケットと同様に世界のマーケットへアプローチでき、取引できるための環境整備」、3つ目は「デジタル情報基盤の整備」です。現実的には、2,3つ目で物理的、技術的な対応を進めるなかで、1つ目への対応を進めることが必要だと考えています。

 現在、日本のキャッシュレスサービスは最先端とは言えません。「円」が世界で最も信頼される通貨だからです。「円」の価値の高さが現金への依存度を高めているのです。それに対して中国では現金の信頼度が低く、安心して現金を持つことができないという実情がキャッシュレス決済の普及に繋がっていると言えます。

 そのような中で、ビリングシステムは「PayB」というスマホ決済サービスを使い、キャッシュレス決済の普及を進めています。有名な大手企業のサービスと違い、クレジットカードを登録せず銀行口座から直接支払いができるという点が強みです。また年間10億枚発行されるというコンビニの払込票のうち、ビリングシステムがすでに担当している部分をスマホ決済に対応させていき、シェアを拡大させていくことも考えています。また、中国の代表的なキャッシュレス決済サービスである「ALIPAY」や「WeChat Pay」を日本の店舗でも使えるようにしていくことを推し進めており、訪日中国人による経済効果や日本人が中国に行った際の利便性の向上を想定しています。大手企業のようにお金をかけてテレビCMを流すことはできないなかでどのように事業を拡大するか、アイデアを常に探っています。

 23年間勤めた銀行を辞めた時には周りから「バカだ」と言われたこともありましたが、私自身は「生きること当然必要だが、面白いことも大事」だと考えています。子どもの頃から色んなアイデアを考えるのが好きで、浦和高校でも好きなことを突き詰められる自由が与えられて、銀行でも企画部でアイデアを出す仕事ができたことが、自分にとって良かったと思います。自由の裏には常に責任が伴いますが、「やりたいこと、やれること、求められることは違う」ということを念頭に置きながら、その中で自分が正しいと思ったことをやり通していけば、自然と結果はついてくると思います。