講義紹介

これまでの麗和セミナー

演題 魔法の話
埼玉大学講師、名古屋大学助教授、宗教儀礼研究所所長を経て、現在イシス学院理事長
講演者 大沼 忠弘(高11)
講演日 平成28年6月21日
講演内容

 私は中学二年の時、父を癌で失くしました。突然でしたので、いったいどうすればいいんだと思っていた時に武者小路実篤という作家の『論語私感』という本を読みました。その中に「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」という言葉を発見して何か込み上げてくるものを感じたんです。
 私はこの体験を通して、道と言うものを極めたい。いったんそれを知ったら死んでも構わないという道があるんだという気持ちになりました。そこで、論語を本格的に読もうという事で、近所におられた漢学者の藤本先生に師事して素読から始め、四書五経を諳んじるまでになりました……。
 それから浦高に入学した時に図書館に中国の古典、漢籍が膨大な量残っておりました。高校の間に全部読んでやるという気持ちになって、授業は半分しか出ず図書館に籠っていました。
 その後、2年生の時に漢学者として身を立てようと決意し、漢学者の安岡正篤先生に手紙を書きまして、「私は漢籍で身を立てたい、先生の書生にしてください」と言ったら返事がきまして「漢学で身を立てるのはこの時代では難しい、大学には中国文学の講座が残っているから大学の先生になるのが一番いい、大学の先生になるには東大が一番いい」ということで東大に入ることに決めたんです。当時は400人中380番くらいの成績でした。……