これまでの麗和セミナー
演題 | 今後のキャリアを考える ~デュアルキャリアの薦め~ |
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全日空商事株式会社顧問 Vリーグ代表理事COO |
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講演者 | 國分 裕之 氏(高29回) |
講演日 | 令和6年9月24日(火) |
講演内容 |
全日空商事株式会社顧問であり、Vリーグ代表理事COOである國分裕之氏に「今後のキャリアを考える」というテーマのもと、バレーボール界のお話を絡めながらご講演いただいた。 始めに「キャリア」について、ご自身の人事のご経験を踏まえながら語られた。「キャリア」というと少し前まではキャリア官僚のように一握りの優秀な人材に対して使うイメージがあったが、昨今は人それぞれの働くことに関わるプロセスを指すようになってきた。キャリアを積むということは、職務そのものを洗練させていくだけでなく、その仕事に取り組むプロセスの中で身に着けながら人間的魅力を磨いていくこと、すなわち、生き方そのものであるともいえる。そしてこのキャリアを積む行為は、どこかに終着点があるわけではない。マズローの欲求5段階説によれば、欲求の最上段に当たる「自己実現欲求」では、1つの問題や課題をクリアするとそこで満足せず、新たな問題や課題にステップアップしていくことが求められる。つまり人間も、小さな成功体験を積みながら、徐々により大きな課題にチャレンジし、自分を磨いていくことができるということである。自分を磨くということはすなわち、自分自身でキャリアを切り開いていくことが大切であるというお話であった。 現代においては特に、自律的キャリア形成が求められる。「VUCAの時代」や「人生100年時代」、それから転職が当たり前になるなど、これまでにない変化の時代である中で、企業が成長するためには社員一人一人が自律的に行動できなくてはならない。キャリアを自分でデザインできることで、自分らしい働き方の軸を見つけ自己実現すること、行動を明確化することが目指される。そのためには、キャリアコンピテンシーが求められる。 國分さん自身が社内や教育機関にキャリア教育をする中で、今回浦高生には、二つ大事な話をされた。 一つ目は「デュアルキャリア」の薦めである。本業としての仕事を持ちながら、リタイア後や長期的・将来的な展望のもとに並行的にもう一つの役割を持つことである。要するにメインとしてのキャリアを積みながら、別のところにも社会的な居場所を持ち合わせるということである。それがあることによって、①エンプロイアビリティの向上②人的ネットワークの深化・拡大③メンタルヘルスへの好影響④リスク管理や将来への準備⑤人生の豊かさや充実を感じることなどに繋がるのである。 二つ目は「偶然を必然とする備え」という考え方である。キャリアの8割は予期せぬ偶発的な出来事によって決まると言われている。そのような中でキャリア形成に影響を及ぼすようなチャンスに出会うためには、あらかじめ準備しておくことが大切なのだ。具体的には、①学ぶ②行動する③好奇心④持続性⑤柔軟性⑥楽観性⑦冒険心、という7つの実践を挙げられていた。幸運の女神に微笑んでもらうためには、計画的に学び進めること、人との交流を重視すること、上記の③~⑦を実践することによって、偶然をラッキーチャンスとして自分のものにできる、ということであった。 最後に、いま社会で求められる人財の話題に及んだ。國分さんが大切にしている視点として、(1)グローバル人財(2)デジタル技術・数字に強い人財(3)イノベーション人財を挙げられた。 また、それらを踏まえ、いま高校生のうちになすべきこととして二点挙げられた。一つは、知的好奇心の醸成である。三現主義を大切にしつつ関連書籍等で深掘りをすること、一流のものに直接触れることを挙げられた。二つ目は、努力と挑戦をすることである。失敗を恐れず、果敢に挑戦することが大切であると言葉をいただいた。 たたき上げの中で上り詰めた國分さんのそのキャリアに、参加者は一言も逃すまいと耳を傾け、その胸に大変刺激を受ける、熱い講演であった。 |
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