講義紹介

これまでの麗和セミナー

演題 金融の未来を語ろう ~令和を担う皆さんへのメッセージ~
三井住友フィナンシャルグループ 取締役会長
講演者 國部 毅(高24回)
講演日 令和元年11月1日(金)
講演内容

三井住友フィナンシャルグループの國部です。本日は、簡単に自己紹介させていただいたあと、金融の未来や皆さんに心掛けてもらいたいことをお話ししたいと思います。

私は、1969 年に浦和高校に入学しました。高校生活3年間においては、古河マラソンや遠泳大会といった厳しいスポーツイベントが多く、苦痛に思っていましたが、どれもが素晴らしい行事でした。

 大学を卒業して、1976年に住友銀行に入行しました。大学で金融関係のゼミに所属していたこともあり、当初から銀行への就職を希望していました。当時、住友銀行は厳しいという噂があったので、就職先としては考えていませんでしたが、他社への就職活動中、気分転換に訪れた住友銀行が就職先となり、今に至っています。そうしたきっかけで入った会社の経営者となったのですから、人生どうなるか分からないですね。

 次に、金融の未来についてお話しします。皆さんは、金融に未来があると思いますか?近年、銀行の将来を悲観する意見が多くみられますが、私自身が金融グループのトップとして経営に携わってきた実感は、「金融ほど、エキサイティングで、面白く、やりがいのある仕事はない」ということです。超低金利環境の長期化によって、銀行の利益が押し下げられていることは事実ですが、私どもは、こうした厳しい環境においても、「業務のウィング」と「地域のウィング」を拡げる、すなわち展開する業務や地域を拡大することによって成長を遂げてきました。また、FinTechと呼ばれる新たなテクノロジーを活用するとともに、異業種と連携することによっても、ビジネスの範囲をさらに拡大させ続けています。ダーウィンは「強い者や賢い者が生き残るのではなく、環境変化に応じて自らを変化させた者だけが生き残る」と言っておりますが、私は、金融業というビジネスにおいても、絶えざる自己変革・進化の先に未来があると思います。

 続いて、皆さんに心掛けてもらいたいことを3点お話しします。我々は今、生活やビジネスを大きく左右するような歴史的な転換点に立っており、過去の延長線上に明日はないと思います。したがって、これまでの「常識」や過去の成功体験などに囚われず、自分の頭で考え行動していかなければなりません。そのためには、まず、「好奇心を持って、自分の世界を拡げて」もらいたいと思います。様々なことに好奇心を持ち、疑問を自ら調べ、考えることで、自分の知の世界を大きく広げてください。受験に必要か否かを問わず、様々な科目に興味を持って勉強し、教養(リベラルアーツ)を身に着けてもらいたいと思います。次に、「何事にも主体的にチャレンジ」してください。変化の激しい時代に、何もチャレンジせず、現状に留まることは後退を意味すると、社内でも言い続けています。人生において、挑戦しないことは、最大のリスクだと思っていますので、皆さんも、チャンスを見つけたら、積極的に挑戦してください。3点目は、「夢や目標を持つ」ということです。今実現したいことや将来やってみたいことなど、どんな小さなことでも夢や目標を持つことが大切です。その夢や目標の実現に向けて、少しずつ努力を重ねていきましょう。

ここまで紹介してきました①好奇心を持つ、②主体的にチャレンジする、③夢や目標を持つ、といったことの中で、何か一つでも実践してほしいと思います。

 最後に、私の好きな言葉であり、モットーを紹介します。それは、「正々堂々」という言葉です。現状から逃げたり、小手先の手段で対応したりせず、どんなに難しくて解決できないような課題も真正面からぶつかっていけば、解決への道は拓けるものです。皆さんにも、ぜひ、困難から逃れず、正々堂々と正面からぶつかっていく気概を持ってもらいたいと思います。

 今回、みなさんとご一緒したことも何かの縁です。この機会に何かを学んでいただき、皆さんには、将来、日本を引っ張っていってもらいたいと思います。これからは「大きな変化の時代」であり、簡単ではないですが、チャレンジングで面白い時代だと思います。皆さんもぜひ、「正々堂々」と日本の未来を切り拓いていってください。